こんにちは。JAPAN CLOUDコンサルティングディレクターの川上和代です。

当社では、B2B SaaSの分野において海外で急成長している企業(グローバル・スタンダードなSaaSソリューション提供企業)と合弁企業を設立し、日本市場への進出および中長期的な成長をサポートしていますが、その一環として関連会社同士が組織横断で経験や知見を共有し合う場の創出に力を入れています。今回は関連会社のインサイドセールスメンバー有志が主催するナレッジ共有のコミュニティ勉強会の一部をレポートします。
 

講師持ち回りで、毎月1回、ランチタイムの時間に学び合う

今回は2021年12月、オンラインで行われたインサイドセールス勉強会にお邪魔し、その模様をレポートします。

同会は、一定期間、当社担当者が運営を担っていました。その後、参加企業の各社が持ち回りで運営していこうと呼びかけたのが、カスタマーエンゲージメントプラットフォームを提供する当社関連会社Braze(ブレイズ)株式会社 Business Development Representative(以下BDR)の山梨寛弥さんでした。

山梨 寛弥さん
Braze Business Development Representative

山梨さんの提案に対し、Slackで関連会社同士の情報交換に向けた発信をしていたクラウド決算ソリューションを展開するブラックライン株式会社 マーケティング・BDRの新井知沙さんが呼応。2人を立ち上げの中枢メンバーに、10名規模から勉強会がスタートしたといいます。

新井 知沙さん
ブラックライン ビジネスディベロップメントレプレゼンタティブ(BDR)

現在は毎月第3金曜日のランチタイムにオンライン形式で開催。20名ほどのメンバーから、毎回約10名が参加しているそう。

テーマは毎回、担当会社のメンバーで考え、「セールステクノロジーを使いこなすためのベストプラクティスやメール返信率を上げる工夫などテーマを絞った内容もあれば、各社のフェーズに応じた課題を共有し、その解決に向けたディスカッションを全員で行ったりする会もあります」と山梨さん。

新井さんは、「インサイドセールスという役割は会社によっても担当する業務の範囲、ターゲットが異なります。勉強会で各社の組織体制やターゲティングの知見を得ながら、より具体的な施策レベルでのTipsやディスカッションが行われ、非常に実践的な内容となっています」と会の意義を語ってくれました。
 

ターゲットとなる企業が限定される中、いかに確度高い戦略を立てるか

今回の講師役はnCino(エヌシーノ)株式会社川浪史織さん。同社は2012年、米国で創業。クラウド型バンキングソフトウェアのトッププロバイダとして、米国を代表するバンク・オブ・アメリカやウェルズ・ファーゴほか、世界1200社もの金融機関にサービスを提供し、2020年7月にナスダック上場。日本法人は、国内での業務のデジタル変革と効率性向上へのニーズの高まりに応えて2019年末に設立されました。

川浪 史織さん
nCino ビジジネス開発マネージャー

川浪さんは、新卒で入社した銀行勤務時代に感じていた課題感から、DXという観点から銀行業務の改革に包括的に関わりたいと、2021年1月よりnCinoにジョインしたそう。現在は、Business Development Group(以下BDG)のビジネス開発マネジャーとしてインサイドセールス業務に従事し、新規顧客開拓を実践されています。

冒頭で今回の勉強会の大前提として、川浪さんが挙げたのが金融機関向けサービスを提供するというビジネスモデルの特性から、ターゲット企業が限られていることでした。

「やみくもに見込み顧客にアプローチするのではなく、フィールドの営業チームやマーケティング担当者とも密にコミュニケーションをとり、しっかりとしたストラテジー(戦略)の基、確度高く新規開拓することが大事だと考えています。まだ試行錯誤の段階ですが、当社の取り組みをご紹介し、ぜひみなさんの営業やマーケティングとの連携や、KPIについても意見交換ができればと思っています」と語ります。

さらに、銀行向けアプローチの特徴として、外部とやりとりするメールが共通アドレスのケースが多く、SalesforceでのID管理が難しいことや、特に地方銀行においては勘定系システム(基幹系システム)が共同化されていることが多いこと、外部接続のインターネットと行内環境の端末が別で、ウェビナーへの接続にハードルが生じることなどを挙げてくれました。

新井さんが触れていたように、まさにターゲティングが異なれば、アプローチ法も大きく異なってくるということですね。私自身、初めて知る“銀行あるある”もあり、参加企業のみなさんにとっても、金融機関にアプローチする際に大いに参考となりそうです。
 

Salesforceを介した営業とのコミュニケーションのコツを情報共有

こうしたマーケットの特性や課題を踏まえ、nCinoとしてのライフサイクル、そこでのBDGの役割、KPI、商談として営業に渡す際のルールなどの情報を共有。さらにターゲット企業が限定される中で、見込み顧客のリプレイスのタイミングなど、いかに確度の高い情報を収集し、重点的にアプローチしていく先を決めているか。試行錯誤を経ての貴重なTipsを提供してくれました。

その中でも、3期目に入った今期、注力するポイントとして、川浪さんが挙げた「営業とのコミュニケーション」「契約成立・商談化した案件を基にしたストラテジー作成」「そのための情報管理のポイント」について、その取り組みの一部を紹介したいと思います。

まず、営業とのコミュニケーションについては、後に参加企業からも出てきた課題感として、Salesforceでの日ごろの情報共有をいかにスムーズにし、実際のミーティングを密度高いものにしていくかが挙げられるのではないでしょうか。

nCinoでは、週単位、四半期単位で営業およびカントリーマネジャーも含め、アプローチ先や施策の有効性などについて話し合いをしています。

その際の課題として「Salesforceに情報を集約しても、なかなかチェックしてもらえない、手が回らないのが現状でした」と川浪さん。さらに商談化していないリストも含めて整理するため、Smartsheetを作成してデータを集約し、チーム全体で状況を管理するようにしているそうです。

以前は、アプローチのフェーズや得た情報について、概要を記したディスクリプションを共有していましたが、Smartsheetに移行したことで、みんなで同じ画面を見ながらコミュニケーションが取りやすくなったといいます。

また、nCinoでは、2021年にきらぼし銀行との契約、採用が決定。その成功体験を踏まえ、同様のニーズや課題感を持っているであろう銀行をリスト化した上で仮説を立て、アプローチを実践しているそう。

「やみくもに企業の課題感を聞き出そうとしても、なかなか意見が出てこないもの。仮説を立てることで、話がスムーズに進みやすい手ごたえを感じています」(川浪さん)。

情報収集についてはIR情報や採用情報なども今、企業が何に注力し、どんな課題感を持ち、人材強化を進めているかがわかるとか。「様々な情報を基に営業チームにも意見をもらいながら、ストラテジー作成に活かしています」と川浪さん。

その他、マーケティングとの連携により、ウェビナーにも力を入れ、数年で異動が多い銀行の実態に合わせたハウスリストの刷新も進めているそうです。
 

組織を超えた勉強会に参加することで、成長スピードの加速化を実感

こうした経験を踏まえた貴重な知見の共有を踏まえ、参加者からの質問や意見交換にシフト。参加者からは、具体的な仮説の立て方や、契約までに時間がかかる特性上でのナーチャリング手法やターゲットとする担当者の特定・選出法など実践的な質問が飛び出し、川浪さんの回答を踏まえ、ディスカッションも白熱していきます。

また、川浪さんが冒頭で情報共有したいと話していた、営業やマーケティングとのコミュニケーションスタイルについても、Salesforceでの情報共有の難しさや、そのハードルの超え方、有効なレポートについての情報共有が行われました。

先に運営メンバーの山梨さん、新井さんも挙げていたことですが、立ち上げフェーズにある少人数組織の中でもインサイドセールスは1~3名規模からスタートすることが多く、どうしても自社内の殻にこもって仕組みづくりに悩むことが多いと思います。

こうした情報交換の場があることで、「自分1人の経験から得られる以上のインプットが得られ、2~3倍のスピードで成長できている実感を得ています」(新井さん)。山梨さんも、「新しい刺激を得ることで、改めて自社の実態を客観的に見直し、数字改善に向けたPDCAやオペレーションの見直しにつなげられるのも大きな利点です」といいます。

勉強会が終わった後もSlackやWeb会議を通じ、気軽に個別の質問をしあったりしているそう。「コロナ禍が落ち着いたら、リアルな親睦会もぜひやりたいと考えています」(新井さん)。

21年1月入社から約1年間、新たなチャレンジの連続だったという川浪さんも、「BDGやインサイドセールスの経験は一切ない中で、こうした場で経験者の方々とコミュニケーションがとれるのがとても心強く、勉強になっています」と語っていました。

みなさんの言葉通り、組織の垣根を越えた貴重なスキルアップの場になっていることを、参加を通じて改めて実感し、私自身も大いに刺激を受けました。

今後も、組織を超えて学び合う機会が欲しい、外資系スタートアップ企業でのキャリアパスに不安があるといった方にもご参考になるようなレポートを公開していきたいと思います。

また、今回ご紹介した3社Braze(ブレイズ)、ブラックライン、nCinoは、現在急速に拡大をしており、彼らと一緒にキャリアを作り成長をしていけるチームメンバーを募集しています。ご興味いただけましたら、各社採用募集ページをぜひご覧ください。

Braze
ブラックライン
nCino

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