こんにちは。JAPAN CLOUDコンサルティングディレクターの川上和代です。

当社では、B2B SaaS分野において海外で急成長している企業と合弁企業を設立し、日本市場への進出および中長期的な成長を支援しています。

その一環として注力しているのが、関連会社同士が組織横断で経験や知見を共有し合う場の創出です。

以前(https://japancloud.jp/202201-inside-sales-community )、参加しましたインサイドセールスメンバー有志が主催するコミュニティ勉強会がとても熱量高く刺激的で、またジョインしたいと考えておりました。すると、2022年初の勉強会が1月25日に開催されるとのこと。再びお邪魔し、その一部をレポートします。


3つのアジェンダに沿って、60分集中して学び合う

今回の講師役はカスタマーエンゲージメントプラットフォームを提供する当社関連会社Braze(ブレイズ)株式会社で Business Development Representative(以下BDR)の山梨寛弥さん。この勉強会の発起人でもあります。

Brazeは2011年に創業、ニューヨークに本社を置き、ベルリン、シカゴ、ロンドン、サンフランシスコ、シンガポール、東京など世界で10拠点以上のオフィスがあり、昨年度11月にナスダックに上場を果たしています。「先進的な統合型カスタマーエンゲージメントプラットフォームを通じ、複数の顧客接点においてリアルタイムかつ一貫性のあるコミュニケーションを実現し、消費者と企業ブランド間のつながりと一体感の創出をミッションとしています」(山梨さん。以下同)。

メルカリ、楽天、ケンタッキー・フライド・チキン、日本最大のコスメ・美容の総合サイト「@cosme」、「NewsPicks」など様々なお客様のカスタマーエンゲージメント構築を支援しています。

日本法人は2020年7月に設立。山梨さんは、前職でBtoB、BtoCのデジタルマーケティング、Salesforceやマーケティングオートメーションの導入・運用、インサイドセールス、フィールドセールスなどで幅広くキャリアを積み、Braze株式会社に転身。一人目のBDRとして立ち上げ業務に従事しています。

「日本市場で約1年半を経て、BDRとしてどんな課題感の基、施策を展開し成果につなげてきたか。これまでのPDCAの概要をお話しし、情報の共有と意見交換をしていければと思います」と山梨さん。特に注力して取り組んできたポイントとして次の3つを挙げ、そのアジェンダに沿ってランチタイム勉強会がスタートしました。

1 データを活用した大局理解と顧客一人ひとりの深堀り

2 マインドシェアを上げることで顧客の反応率を劇的に高める

3 BDR活動管理と目標達成に向けたForecast(見込み管理)


データを基に売上貢献度が高い業界を見極め、リソースを集中

まず、1の「データを活用した顧客理解」について。同社ではマーケティング、セールス領域で様々なテクノロジーを組み合わせて利用しているといいますが、山梨さんが共有してくれたデータが、分析ツール「FORCAS」を使った、コアターゲットのカバレッジ(網羅率)分析です。

「FORCAS」データから業界ごとにカバレッジを抽出し、他のツールとも連携し「どの業界が受注率が高く、商談化しやすいか。1顧客あたりの商談・受注単価が高くなる業界はどこか。特に少人数の組織においては、データを基にリソースを集中させるべき領域を見極め、戦略的に攻めるアプローチをとることが大事だと考えています」。

同社が獲得しうるSAM(市場サイズ、企業数)に対し、どの程度のカバレッジができているか。項目ごとに見ていくと、「パイプラインの総量・受注率はEコマース・生活用品小売(リテール)、飲食店が高い。しかし、リードのカバレッジではEコマースはまだ市場の開拓余地があると考えられます」。それを受け、Eコマースにおいては、グロースマーケター向けにウェビナーを開催するのが有効といった意思決定につなげているわけです。

さらに、山梨さんはデータ間の相関関係、分析結果をよりクリアにするべく、バブルチャートにまとめ、今後のポテンシャルも含めた売上貢献度が高い業界を見極め、優先度を決定。

数値データだけでなく、「営業の現場からの声も参考に、“データ×営業からのフィードバック”の掛け合わせで、ターゲット戦略を進めています」と語ります。

同様の手法で、マーケティングキャンペーンのパフォーマンスも可視化。潜在的なボリュームはあるものの、商談化率やアポイント率がまだ低いゾーンについては、活動量を担保できるコールベンダーに外注する施策を取り、一定の成果を上げているとか。

なるほど、単一のデータではなく、複数のデータを掛け合わせることで、より確度の高い業界を見極め、戦略的かつ効率的に当たっていく。業界問わず、リソースに限りがあるスタートアップ企業にとって広く参考になりそうです。


「接触頻度」「接触深度」の最適化で顧客の反応率アップを目指す

2つ目の「顧客の反応率の高め方について」は、山梨さんが最も効果があった施策として挙げたキーワードが「マインドシェア」です。

マインドシェアとは「顧客の心の中に占める特定ブランドの占有率」を指し、「接触頻度(顧客にとって心地よい頻度)」「接触深度(顧客ニーズに合わせた最適化されているメッセージ)」の2つの軸の最適化によって、反応率を向上させていくことがポイントだといいます。

まず、「接触頻度」について、山梨さんが挙げたポイントの1つが「電話とメールをセットで行うこと」。

アプローチ開始から「1営業日以内にメールと電話のセットでアプローチする。メール送信したら電話で反応を確かめ、電話がつながらなければメールでリマインドする。これを最大4セット行うことをルール化しています」。

闇雲に実践しているわけではなく、実は同社データによると、1回目のメールよりも2回目のメールのほうが、返信率が10ポイント上がり、3回目でも20%近くの返信率が挙がっているとか。「1回メールしただけで、追跡していないケースは意外に多いのではないでしょうか」と山梨さんは問題提起。

シンプルな施策のようですが、地道なフォローアップこそが効果を発揮してくれるということですね。

もちろん、同じ内容で何回もアプローチしたのでは顧客に嫌われてしまいます。次のポイントとなるのが「接触深度」、つまりコンテンツのパーソナライズです。

ここで山梨さんが共有してくれたのが、オリジナルの「課題マップ」です。

顧客にとっての成果を可視化し、成果の障害となる課題を特定。その課題に対して「Brazeとして提供できる価値、課題に対する解決策・事例から具体的なソリューション、機能に落とし込み、業界の優先度や担当者の役職も考慮しながら唯一無二の提案を盛り込むことに注力しています」と山梨さん。

そのために顧客の課題感の綿密なヒアリングも徹底して実践。こうした工夫により、メールの返信率の向上を実現しています。


インサイドセールスの目標達成に向けたForecast管理はどうあるべきか

最後のテーマが「BDRの活動管理と目標達成のForecast(見込み管理)」。

山梨さん自身、アクションプランシートでSQL、MQL、商談化率などの項目ごとに、目標、見込み、実績、達成率などを週次で振り返り、目標値とのギャップ、その要因の考察を実践しており、会社でも同様の展開を考えているとか。

営業担当者なら、月々いくらクローズするかなど目標達成に向けたForecast管理をしているのは当たり前ですが、BDRとしてどう活動管理、目標管理をしていくかは意外に難しい。受注だけでなく、BDRのKGIである商談化数、商談金額についてもForecast運用を実施するべく試行錯誤中だといいます。

「目標のベストコミットや現時点でのギャップ、ギャップを埋めるための解決策などを毎週のミーティングですり合わせることで、そもそものパイプラインの総量を上げることができるのではと考え、テスト運用を進めています。みなさんの取り組みや意見もぜひ聞かせてください」とメンバーに問いかけた山梨さん。

ここまでも、アジェンダごとにターゲットの優先度に関する営業とのすり合わせのスタイル、メール文面やコンテンツの工夫などについて、質問や意見交換をしてきましたが、3つ目の問題提起についても、ダッシュボードでの管理やパイプラインの管理の難しさなど、様々な課題感を共有しました。

私自身も、以前、Salesforceに在籍していた蓄積を生かし、クリップやスプレッドシートを使ったレポートの共有、目標値とのギャップを自動計算する仕組みなどの情報を提供。後ほどサンプルを、みなさんに共有させていただきました。

前回に引き続き、密度の濃いディスカッションを聞きながら、私としても様々な知見を得ることができ、また自分なりの情報を提供できたこともうれしく、充実した時間となりました。

今後も、組織を超えて学び合う機会が欲しい、外資系スタートアップ企業でのキャリアパスに不安があるといった方にもご参考になるようなレポートを公開していきたいと思います。

また、今回、講師役を担った山梨さんが在籍するBrazeほか、関連会社各社では顧客の最前線に立って一緒に働く仲間を募集中です。

こちらのブログでも、各社の魅力、創業間もない会社で働くやりがいの高さなど、生の声をご紹介していきますので、ぜひチェックしてみてください。

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最後まで読んでくださって、ありがとうございました。