こんにちは。Japan Cloudの千葉です。
今回は先日参加させて頂いた「とある研修」で感じたインスピレーションをアウトプットしてみたいと思います。少し大袈裟かもしれませんが、日本企業が生き残りをかけて世界で戦っていくために必要不可欠なものでもあり、また、古き良き価値観を変えるかもしれない。同時に「リモートワーク」「D&I」「Generation Z」など、新しい働き方を考える上でも前提として必要、と感じたのです。

「とある研修」とは「フィードバック研修」でした。

JAPAN CLOUDの関連会社では各社さまざまな人材投資がなされていますが、この研修はWalkMe社において「フィードバックカルチャー」を醸成していく一環として全社員に提供された終日の研修でした。私もそちらにお邪魔させて頂いた形です。
*ところで、「フィードバックカルチャー」と言えば、Japan Cloud関連会社のConcur社がとても有名です。Great Place to Work No.1を5年連続で受賞されている同社のカルチャーのコア要素。関心ある方は是非、同社代表の三村さんの著書「最高の働きがいの創り方」もご覧ください。

「なーんだ、フィードバック?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。「ネガティブなフィードバックも大事だよね」とか。「いつも会社でやってるよ」という方もおられるかもしれません。また、最近では「NO RULES」で紹介されているNetflixのフィードバックのアプローチも話題になりましたよね。

かくいう私も「できるだけ即時」「ポジティブもネガティブも」「ポジティブとネガティブの比率は…」ということはここまでの社会人生活で学んできたことではありました。しかし、しっかり体系的に学ぶことも、また、フィードバックについてしみじみ考えることは初めてで、この終日の時間は、これまで無意識で体験してきたこと、自分の中で顕在化していなかった課題感を掘り起こして、dot’sを結び付けてくれました。

・ああ、フィードバックってこんな形でやればいいんだ。
・前後にこんな準備・フォローが必要なんだ。これならワークする確率が上がるな(相手の行動変容を促せる)。
・考えてみると、国籍に関係なく「良い上司」と感じた人たちは大事な要素を抑えていた。
・特に海外のエグゼクティブの人たちは訓練されてるんだな=人間として成熟しているからかもしれないが。
・実際のところ、相手のため、ではなくて、自分のために言いたいことだけ言っているフィードバックって意外と多いよな、とか。そんなことを思い出していました。

と同時に、思ったことがあります。

・なぜ、日本ではこれまでそんなにフィードバックが着目されてこなかったのか(私だけの認識かもしれませんが…)?
・もしかして、日本では「飲みニケーション」がその役割を担ってきたからではないか?
例:上司→部下:おまえさあ、今日はホンネで言うけど…。
  部下→上司:ちょっと酔ったから言わせて下さい。
  同僚:あれってホントのとこどう思ってます?このままだとマズいと思うんですけど。
・「飲みニケーション」は、心のモヤモヤを晴らしたり、日々の業務の軌道修正が行われたり、周囲とのコミュニケーションを改善したりしてきたのでは?
・「今日は無礼講で」というのは、かなり大事なコミュニケーションだったのかもしれない。
・ということで、古き良き日本企業は「飲みニケーション」が「フィードバック」の時間だったんじゃないか。
・この仮説が正しいとすると、そもそも飲みに行く時間が取れない社員(業務時間外は子育てメインの方。そもそも酒が苦手な方など)の活躍の場を奪ってきたのではないか?
・日本で「女性社員の登用が少ない」理由にも実は関連があるんじゃないか。
・いずれによせ「飲みニケーション」は今後も減るだろうなあ。
・とすると、フィードバックカルチャーが、デフォルトとなるかどうかは組織力の差になりそう。何故なら「飲みニケーション」は伝統的日本企業においてデフォルトと言って良いほど固くて、強かった。

どんなに戦略が正しくても、戦術が正しくても、結果は実行によるもの。すなわち日々の行動とその支えとなるマインドセット(その間に「スキル」が生まれる気がします)次第だと思うのですが、そのミクロ単位での軌道修正の積み重ねが大事なのは言うまでもありません。

フィードバックは、日々の行動とそれを支えるマインドセットを整える役割を持つ、と思っています。時計のネジを巻いて時刻を合わせるような。マッチ棒を縦に並べて直線を引く、その角度を整えていくような。そんな細やかな作業だと感じました。

思い起こせば、以前勤務していたAccentureやSalesforceなどの外資系企業においては、形は異なれどフィードバックカルチャーが根付いていた気がします。オフィシャル、アンオフィシャルな形で「当たり前」になっていました。もちろん飲みながらの白熱フィードバックもたくさんしましたが(笑)。

コロナ渦にてリモートワーク化が進んでいます。
国籍や性別や地理、過去の会社など問わず優秀な人たちと働くダイバーシティな働き方が求められています。

そのような中で、これまで日本企業の働き方の代名詞であった「阿吽の呼吸」「空気を読む」つまりは「ハイコンテクスト」なコミュニケケーションが維持できなくなってきました。ダイバーシティな環境、リモートワークでの働き方は、常にベースは「ローコンテクスト」だと思います。その上で「阿吽」が生まれるもの。

フィードバックは、ローコンテクスト化の流れの中でも必須な役割なのではないでしょうか。

同時に「フィードバックを受けること」にいかに慣れていくかも重要です。飲みに行ってぶっちゃける、ではなくて、普段の仕事でいかにそれを実現するか。改まった場で、耳の痛い話を含めてフィードバックすることも重要だとは思いますが、それだけではなくて、通常の1on1やTeam Meetingにおいて、いかに思っていることを共有できるのかが大事なのかなと思っています。それは反対意見であれ、資料をより改善に導くレビューであれ、より良いアウトプットや提供価値を求めて、皆で意見を交わすこと。そうして「あれ、自分が思っていたことと違うな」「でもみんなもそういっているしもう一度考えてみよう」「考えてみた上で、また提案してみる」を繰り返していくイメージです。また、その癖がつくと、おそらく他の方から明示的にフィードバックを受けなかった失敗についても、自分で自省するプロセスが常態化していくのかな、なんて思います。

フィードバック研修、本当に良い機会でした。

私自身もご多分に漏れず、キャリア?年齢?と共にフィードバックをもらえる機会が減ってきていて、マズい、と感じています。もっともっと自分で求めていかないと、と思いました。ちなみに私に一番「効く」フィードバックくれるのは妻です。前後のプロセスはあったり、なかったりしますが(笑)。