Japan Cloud関連会社の魅力、特徴をお伝えするリーダーインタビュー企画。5回目に登場するBraze(ブレイズ)株式会社 代表取締役社長・菊地真之氏の後編では、目指す組織のあり方、求める人材像についてうかがいます。
(前編はこちらから)
1人のカリスマよりコラボレーションの活性化こそがレジリエンスな組織を実現
――Japan Cloudとの合弁会社ならではの利点も生かしながら、菊地さんは、どのような会社にしたいと考え、チームを率いていらっしゃるのかお聞かせください。
菊地 社長就任前からずっと言っているのは、「『アベンジャーズ』のようなチームにしたい」ということです。家族や友達ではないけれど、Brazeの理念に共感し集まった社員一人ひとりがプロフェッショナリティを持ち、かつそれを上回るチームワークを持って、一丸となって日本の市場を開拓していく。そんな組織体を作っていきたいと考えています。
外資系というと、「激しい社内競争を強いられる弱肉強食な企業風土」をイメージする方もいるかもしれませんが、今では米国においても従業員との長期間に渡るエンゲージメントと育成計画の提供を重視する傾向が高まっています。
テクノロジーは想像を超えるスピードで進化し、1人のスーパーエンジニアがすべてのテクノロジーを理解し開発することは不可能であり、1人のカリスマ的な人間が業績全体をけん引するような時代でもありません。
もっと言うと、いかに優れたソリューションを擁していても、従業員とのエンゲージメントが醸成されていないカルチャーの企業は大きく成功することはできない。愛される会社として、市場に認知されることは難しいといえるでしょう。
当社では、設立当時から、社員全員の力を結集してこそ、ターゲットを達成することができるというモデルを標準化していくべく、採用についてはプロフェッショナリティよりチームワーカーであることを重視してきました。多様性を大切に、コラボレーションの活性化に力点を置くことこそが、Brazeの総和として、レジリエンスな組織の実現につながると考えています。

ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンをBraze日本法人でも推進。パートナー制度、不妊治療や養子縁組等へのサポートなど社会的課題にも取り組む
――採用活動に当たっては、「エンプロイーエンゲージメント」にも注力されているとうかがいました。
菊地 1人ひとりの社員が、Brazeの社員として、さらに人としても評価されるような組織体を目指しています。その観点では、社員が目指すキャリアや実現したいライフプランも可能な限り尊重したい。そのこだわりとして、未来を創る子ども世代が早い時期からデジタルスキルを学べるようなボランティア活動への積極参加や、SGDsのような社会的課題への取り組みにも注力しています。
その一つがパートナー制度で、社員のパートナーの慶弔に際しての休暇や見舞金などについては、入籍に関係なく制度の適用を受けられるようにしています。
日本法人の設立当初からは、不妊治療や養子縁組へのサポート制度を構築し従業員を支援しています。米国本社も黒人起業家への支援など、社会的課題に意識が高い企業です。私自身、大学時代に国際政治学を学んでいた経緯もあって、子どもに関わる日本ならではの課題解決に、会社として貢献していきたいと考えています。
――採用については、先に挙げたチームワーカーとしての素養に加え、どんな方に来てほしい、一緒に成長していきたいとお考えですか。
菊地 ダイナミックな変化を楽しめ、変化を作っていける、また、マーケットをグロースしていくことに興味関心がある方にはぜひジョインしていただきたいですね。
また、急成長を遂げているといっても、まだ40名程度の小さな組織に過ぎず、リソースとして「これがない」「あれが足りない」と言っていたら切りがありません。「ないこと」を楽しんで、改善につなげていけるような課題解決能力が高い人はエンジョイできる環境だと思います。
もう一点、申し上げたいのは、外資系スタートアップというと、若い世代が中心の会社だと捉えられがちですが、そんなことはありません。当社には、最年長は68歳のメンバーから最年少は20代前半まで、多様な世代、バックボーンの社員が活躍しています。
必ずしもデジタルに精通していなくても、お互いの学びを共有しあうナレッジシェアの会など勉強の場も設けていますので、「学ぶ」意欲を持っている方ならばウェルカムです。
――今後の展望についても教えてください。
菊地 この2年間は、想定以上の成長曲線を実現してきましたが、直近の目標はあと3年以内に日本でマーケットシェアNo.1を取ること。そして、せっかく40人もの社員が同じ船に乗ってくれたわけですから、このチームでしかなしえない“歴史”を作りたい。その羅針盤を指し示すのが自身のミッションと捉えています。
日本企業とそこで働くマーケターの皆さんの成長を支援し、「ニッポンのマーケティングを変えたい」と考えている方、ぜひ一緒に新しい歴史を作っていきませんか。
Brazeの社員インタビューや動画など採用情報はこちら。

オススメの本
『MADE IN JAPAN――わが体験的国際戦略』 盛田昭夫・エドウィン ラインゴールド著 朝日新聞社
SONY創業者の1人、盛田昭夫氏の本です。大学1年生の時に読んで、間違いなく今の自分の考え方を形作った1冊ですね。日本製=粗悪品、海外製品の猿真似と言われた時代に、そのイメージを払拭すべく戦い、経営=マーケティングを体現した一人者だと思います。いち早くグローバルに打って出た経営者として、今も尊敬しています。
『おざわせんせい』 博報堂「おざわせんせい」編集委員会著 集英社インターナショナル
広告代理店・博報堂で数々のヒット広告やブランドを作り上げてきたクリエイティブディレクター・小沢正光氏の格言集です。クリエイティブを支える言葉の力、表現力の重要性に気付かされる本ですね。「調査しないと分からない、というマーケは、クビ」「説得には20秒いる。コマーシャルには5秒足りない。だから、メッセージ・映像・音が必要」など、ハッとさせられる言葉が並び、折に触れて読み返しています。
『キャパの十字架』 沢木耕太郎著 文藝春秋
『深夜特急』、『テロルの決算』など、数々の著作を生み出しているノンフィクションの名手による、戦場カメラマンの第一人者、ロバート・キャパを追った1冊です。キャパの作品であり、フォトジャーナリズムの世界で最高峰といわれる「崩れ落ちる兵士」の真偽、キャパの恋人との物語が展開されます。著者の現地での粘り強い取材姿勢、キャパへの熱い思いに心が動かされます。
『ポップス歌手の耐えられない軽さ』桑田佳祐著 文藝春秋
「頭もアソコも元気なうちに、言いたいことを言っておきたい!」という思いを出発点に『週刊文春』で連載したエッセイに加筆し、一冊にまとめたものです。実は、サザンが大好きでコンサートにも足を運んでいます。人間ってエロティシズムとアーティスティックな心を忘れたら終わりだな、と痛感させられます (笑)