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福田康隆
ジャパン・クラウド・コンピューティング パートナー
ジャパン・クラウド・コンサルティング 代表取締役社長

ジャパン・クラウド・コンピューティング　パートナーで、ジャパン・クラウド・コンサルティングの代表取締役でもある福田康隆氏。今回は、オラクル、セールスフォース・ドットコム、マルケトなどグローバルな経歴を持つ福田氏に、これまでのキャリアで感じた‟ 成功する企業で働く重要性 ”について訊いた。

成長する会社で働く経験はとてつもない財産になる

福田氏は自らのキャリアを振り返り、そこで得た経験が未来につながる財産になっていると話す。
「最初に入社した日本オラクルは、入社した年には社員数500名程度でしたが、数年後には1,500人の規模に成長していました。私は新卒5期生でしたが、同期が88人。翌年は150名近い人が新卒で入社しました。これは設立してから間もない外資系IT企業の日本法人としては異例の成長スピードだと思います。しかし、当時は比較対象がないので、それが当たり前という感覚もありました。売上、顧客数、社員数の成長を自分が牽引しているわけではないのですが、その環境で仕事をしながら周りを観察しているうちに、成長する企業の特徴みたいなものを自然と理解できるようになったのだと思います。

次に転職したセールスフォース・ドットコムでは、ただ成長する姿を見ているだけではなく、マネジメントとして自ら実践する立場になりました。この2社での経験が、その後マルケトの社長になった時に生きたと思います。目指すべき成長スピード、成功する会社で働く人たちの特徴、成長過程で必ずぶつかる課題。成功する会社の雰囲気や匂いのようなものは絶対にあります。

一例として、私がマルケトに入社して最初に開催したローンチイベントの話をご紹介すると、日本法人を設立して社員がまだ数名の頃に、私は集客1,500名規模のイベントを企画しました。しかし、周囲からは『いきなりそんな人数は集客できない。福田さんが今までいた会社と同じ感覚ではダメですよ』といわれたのです。

1,500人という人数に根拠があったわけではありません。しかし、競合ベンダーが一気に市場に参入してくる中で、初期段階でのマインドシェア獲得の重要性や、当時のマーケティングオートメーションに対する市場の高い期待値から考えて『いきなり勝負どころが来た』と考えていました。そこで大規模なイベントの実施を考えたのですが、その思考過程では、次のような事が一気に頭を駆け巡りました。

日本オラクルがまだそれほど日本での知名度がなかった頃に、数万人規模を動員したOracle Open Worldという大規模イベントの記憶。セールスフォース・ドットコムの初期に実施したイベントに来てくれたオラクル時代の先輩社員が『なんとなくオラクルが成長している時の雰囲気に近いものを感じるね』と言ってくれた記憶。お客様はどのようなところを観察して、そのような雰囲気を感じとるのか。日本のメディアは、米国本社の役員クラスとCEOでは持ってくれる興味度合いが全く違い、本社のCEO自らが日本市場に対する期待を自分の言葉で話すことの重要性。本社だけではなく、日本の社長がどのような人物なのかをしっかりと示すことの重要性などです。結局、1,500人のイベントを開催し、盛況のうちに終わりました。これも一つの成功体験となっています。

Steve Jobsが2005年のスタンフォード大学でのスピーチで『過去の点と点を繋ぎ合わせることの重要性 “Connecting the dots”』について話しています。実際に仕事をしていく中で、今まで誰も考えた事がない全く新しい発想というものはほとんどありませんでした。ほとんどの事は、先人が経験済みなのです。同時に、過去と全く同じ状況も存在しないので、過去に起きた出来事や学びをどうつなぎ合わせられるか、その能力が重要になると私は考えています。

その意味で、成長する会社で経験を積み、それを蓄えていきながら、同時にそれを繋ぎ合わせる能力を養っていく。これができれば、成功を自ら再現することができるはずであるというのが私の考え方です。Japan Cloudでは、サンブリッジの時代から関わってきた多くの日本法人立ち上げの知見を結集し、プレイブックとして体系的にまとめています。各関連会社の皆さんとも共有していきながら、新しい成功を産み出し、そこで経験した人たちがまた、次の世代へそれをつなげていく。それをJapan Cloudで実現したいと思っています」

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