BLOG
Japan Cloudからのメッセージ、インタビューや活動内容などを発信しています。
年頭所感
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
私は毎年この時期に過去の年頭所感を振り返ることにしています。
一昨年の年頭所感では「一見大きなトレンドに見えても、長いスパンでみれば一過性の流行に過ぎないものがほとんどで、本当の意味でゲームのルールが変わるような変革は、変化の激しいIT業界でも15年くらいのスパンでしかおきない」「これから数年の間に、今主力となるプレーヤーを将来凌駕するような新しい勢力が次々と誕生する時代を迎えることになる」と述べていました。ちょうど2023年の後半からGenerative AIが想像を超えるスピードで進化し始めましたが、これが「ゲームのルールが変わる変革」であることに疑問を持つ人はいないでしょう。
一方で、その期待設定や時間軸については、人によってばらつきがあるのではないでしょうか。私が大事にしている原理原則に「人は1年でできることを過大評価し、10年でできることを過小評価する」という言葉がありますが、Generative AIに対しても同様のことが言えます。昨年参加した海外の投資銀行主催のテクノロジーカンファレンスでは、アナリストが「多くの企業はGenerative AIがこの2-3年で実現できることや投資対効果に過剰な期待を抱いているが、10年単位でおきる変革については過小評価しているのではないか」と話していました。日本でもChief AI Officerという役職が登場するほど、AIに積極的に取り組む企業が増えています。一方で「コストが高い割に投資対効果が見合わない」「何に活用すべきかを模索している」という声も多いのが現状です。短期的に効果を出していくことはもちろんですが、10年単位で起きることは積み上げの発想からは産まれないレベルのことであり、自分たちのビジネスが根底から崩されることも想像した上で変革に望まなくてはなりません。昨年秋にシカゴで開催されたプライベートエクイティの大手であるVista Equity PartnersのカンファレンスではCEOのRobert Smithが、参加者である投資先企業の経営陣に対して「これからは自社がなぜAIにDisruptされないかを説明できなければ生き残っていけない」とメッセージを送っていました。自社製品にGenerative AIを組み込むことはもちろんですが、社員がAIを使いこなし圧倒的に生産性を向上させることに取り組まない限り未来はないということです。「AIが人をリプレース」するのではなく、「AIを活用する人がAIを活用できない人」をリプレースすることになるはずです。
2025年は私にとって社会人生活30年の節目の年にあたりますが、30年前の業界の勢力図がこれほど一新されている業界は他にないでしょう。一定のサイクルで新しいプレーヤーが登場して新陳代謝が起きる環境はエキサイティングで、30年経っても新鮮な気持ちで仕事ができる理由です。今のGenerative AIを取り巻く環境は2000年代前半に、新興SaaS企業が登場し始めた時期によく似ています。また大きく勢力図が変わっていくのだろうと思いつつ、唯一異なるのは、これまではテクノロジーの進化のおかげで新しいプレーヤーにとって参入障壁が低くなるのが法則だったのに対して、AIは圧倒的な資本、コンピューティングパワー、リソースを必要とするため、新しいプレーヤーにとっての参入障壁が高いという点です。では、結局今のビッグプレーヤーが勝ち続けるのかということになりますが、個人的な願望も含めて新しいプレーヤーに期待をしたいですし、今年も新しい出会いを求めて海外に積極的に足を運ぶつもりです。
また2025年は、これまで以上にJapan Cloudというプラットフォームを活かした人材の採用と育成に取り組んでいきます。私はキャリアの大半を外資IT企業の立ち上げを経験し、今もJapan Cloudで立ち上げに関わっています。そのせいか、「立ち上げをやるのが好きなんですね」と言われることが多いのですが、立ち上げを経験すること自体は目的ではありません。私は以前から「小さな会社で世の中に大きなインパクトを残した会社などない。大きな影響を与えたいのであれば、自らが大きな会社にならなければならない。」と考えています。「自分は0→1が得意」という人がたまにいますが、0→1に意味があるのはその会社が1→10→100と成長した時であり、1で終わっては意味がありません。(外資ITは既に本社にプロダクトがあるので、実際は0から事業を産み出しているわけではありませんが)
Japan Cloudが立ち上げのコンサルティング業ではなく、合弁会社を設立し長期にわたり株主として経営に関わっているのは、日本市場により大きなインパクトが与えられる企業を輩出していきたいからです。大きな影響を与えたいのであれば、最初から大きな会社で働けば良いではないかという考えもあります。しかし、既に大きな会社は資本やリソースなどの武器はありますが、過去のしがらみやリスクを取らないカルチャーなど、その武器を存分に使えないマイナス面を抱える傾向にあります。このような環境で自ら変革を起こしていく仕事も誰かがトライしなければなりませんが、同時に二つの道を選べない以上、小さな会社が大きく成長して社会にインパクトを与えるまでの存在に成長していくことに関わることをミッションにJapan Cloudの仕事に取り組んでいます。
現在Japan Cloudでは10社の経営に関わっていますが、それぞれが独立した経営を行うのを大前提としながらも、同じオフィスで働いている姉妹会社の社員同士がそのメリットを最大限活かせる環境づくりが私たちの存在価値であるべきだと考えています。
2024年はSPINやチャレンジャーセールスなど汎用的な営業トレーニング、採用マネージャー向けの面接トレーニングなど各社から参加者を募り共同開催するといった機会も増やしてきました。今年の上半期には、各社の社長やリーダー層を対象に「Japan Cloud Leadership Summit」を軽井沢で開催する予定です。各社の持つ経験やベストプラクティスを、会社を超えて共有する学びの機会にしていきたいと考えています。
また、マーケティング、インサイドセールス、人事、オフィスマネージャーなどさまざまな役職毎に各社の人が集まるコミュニティはこれまでもJapan Cloudの特徴でしたが、今年はこの活動をさらに活発にするための支援を行います。一例として営業マネージャー向けのコミュニティは、次の社長人材を育てる意味も込めて、自ら講師役となりこれまで経験した会社をケーススタディーにした教育プログラムを開始します。
年末の関連各社の社員を招いたYear End Partyの場で「10年後には各社の累積で売上1,000億円を目指したい」と宣言しました。売上だけがその会社の価値ではありませんが、それだけ多くのお客様に利用いただけていることの証明であり、「日本市場に一定の影響を与えた」と言える目標として設定しました。IT業界の10年と共にJapan Cloudのこれからの10年に是非ご期待ください。
この記事をシェアする
JAPAN CLOUD公式SNSをフォローして
最新情報を受け取る
NEWSLETTERニュースレターに登録する
ニュースレターにご登録いただくと、最新の採用情報やキャリア説明会を定期的にメールでご案内します。
またキャリア情報以外にも、勉強会やイベントなどの情報を含め、海外のITトレンドやキーマンとのインタビュー記事など豊富なコンテンツをお届けします。