2022-08-08

キャリア形成って高速道路に似ている気がする

帰省や旅行など家族で長距離のドライブをすることが年に何度かあり、その際は、私は高速道路を使います。

カーナビに目的地をセットすることが多いのですが、到着予想時間が表示されると、その時間に縛られてしまうことがあります(20~30代の時は特にそうでした)。

何とかその到着時間よりも早く着きたい、遅れたくない。何なら前回の同じ道を走った時よりも早く着きたい。新記録を出したい。と誰にも求められてもいない、無駄な戦いを始めて同乗者にとても嫌がられます。

と、、前置きはここまでにして、本題に入りたいと思います。

高速道路を長く走っている時、上記で触れた嫌いな自分をいさめながら、そして落ち着かせながら、良く思うことがあります。

「高速道路を走ること、その状況はキャリア形成に似ているなー」

最初は、20代の頃、渋滞にはまった時に思いました。

渋滞中、どんどん先に進んでいく、自分の隣のレーンの車が羨ましくなる。自分もそっちに行きたくなる。で、レーンを変えてみますが、いつの間にか、元々自分が走っていたレーンの車に追い越されたりする。一般道の方が早かったのではないか、なんて思いも過ったりする。

渋滞中でなくても、こんなことも良くありますよね。
追い越し車線を一生懸命走って、少しでも先を急ぐ。そして、パーキングエリアで手洗いなどの休憩をして、高速道路に戻ってみたら、だいぶ前に追い越した車とまた出会う(追いつかれている)。

「転職に似てるな」と思いました。

隣の芝が青く見える。より年収が上がりやすい道。昇進が早い道を選びたくもなる。でも、それは必ずしも、長いキャリアに渡ってずっと先行するということではない。

車を走らせていると、更にこんなことにも気づきました。

「そもそも、みんな目的地が違う。」

100キロ先を目指している車、1000キロ先を目指している車。当たり前です
が、ペース配分も違う。

「そして、出発地点も皆違う。」

一生懸命スピードを上げて、目的地に近づいたとしても、途中のインターチェンジから乗り込んできたよりスピードのある車に、一瞬で追い越されることもある。

「車のスペックも違う。」

私たちは同じ土俵にいると、あたかもみんなと同じようにできないといけないんじゃないか、なんて思ってしまいますが、みな経験もスキルも異なります。いつまでにどんな状態になってたいか、ゴールイメージも異なります。

この例えは、出産・育児というライフイベントがある女性のキャリアにも置き換えて考えられる気がします。もちろん育児休暇を取る男性も。女性のキャリアづくりについて会話すると「長期休暇の前にこれくらいの専門性や社内でのポジションを確立していると復帰後の10~20年を過ごしやすくなる」という意見もありますよね。これも、出発して最初の休憩までどこまで進んでおけばその後が楽になるか、なんて考えるのと似てるでしょうか(こじつけですが)。

もう少し枠組みを広く捉えてみると、高速道路を使わない選択をしている方もたくさんおられる。一般道。電車。新幹線などなど。

私たちは何度も何度も高速道路を使います。一度きりではありません。
その中で、車も変わり、同乗者も変わります。乗り方も変わるかもしれない。同乗者の存在により、目的地も変わるでしょう。

一回のドライブが、一つの会社生活なのかもしれません。一つの部署での経験なのかもしれませんし、一つのプロジェクトなのかもしれません。私たちができることは、目の前のドライブに集中すること。そして楽しむこと。先回りはできません。前に通った道だったとしても、季節によって景色は違うし、外の気温、気候、自分の体調、車の量、同じコンディションであることはおそらく一度もないはずです。

運転は楽しく、でもちょっと疲れます。眠くもなります。休憩も必要。でも、頑張って進まなきゃいけない時もある。一度降りても良いし。行くのを止めても良い。誰と比較するものでもなく、自分がセットした(可変的な、あるいはゴールの途中としての)目的地に、自分(と同乗者)を連れていく長い長い旅時です。

人生をマラソンに例えるケースも多いと思いますが、なんとなく私は「キャリア形成を高速道路を例に」時々思いに耽っています。「キャリア」という言葉は私にとっては分かりにくい言葉の一つです。ちなみに私の祖父は専業農家として、和牛を育てたり、米や野菜を作っていましたが、これもまた「キャリア」であって同じことが言えるのではないかと解釈しています。平たく言うと(仕事以外も含めた)その人の生き方そのものなのかもしれません。

皆さんはどう解釈・整理されていますか?是非教えて下さい!

2022-07-29

関連会社リーダーに訊く! 第2回 ブラックライン株式会社 代表取締役社長 宮﨑 盛光氏 後編 「社員一人ひとりのパーソナルゴールの実現を一緒に目指し、コーポレートゴールの達成につなげていきたい」

Japan Cloudの関連会社の魅力、特徴を深堀りすべく、各社リーダーの生の声を届ける連載企画。第2回に登場するブラックライン株式会社の代表取締役社長 宮﨑 盛光氏のインタビュー後編では、なぜキャリアチェンジを決心したのか、目指す組織のあり方、どんなメンバーと成長を目指していきたいか。キャリア構築やリーダーシップのあり方に悩む若手マネジャーへのアドバイスも語ってもらいます。

(前編はこちらから)


迷ったら、人生の選択肢が広がる道を選ぶべし

――常務執行役員にまで上り詰めたセールスフォースを辞め、キャリアチェンジを決心した理由を教えてください。

宮﨑 正直、すごく悩みました。自分に会社のマネジメントができるのか、英語力は問題ないのかなど色々、言い訳を考えていましたが、一番の理由は12年、在籍してきたセールスフォースへの未練でした。仕事は楽しいし、不満もない。ポジションも安定している。

それでも古巣に別れを告げ、新たなフィールドを選んだ理由は、大きく3つあります。

1つは、声をかけてくださったジャパン・クラウド・コンサルティング社長の福田康隆さんの言葉、「評価」を信じようと思ったこと。福田さんの著書『THE MODEL』に書かれていますが、福田さんも「自分は社長には向かない。そういうタイプではない」と思い込んでいた時期があったそう。すると当時のボスに「誰がそんなタイプだと決めたんだ。自分で勝手に決めつけているだけじゃないのか」と言われたといいます。

評価とは最終的に第三者が決めること。自己評価で「できない」というのは逃げるための言い訳に過ぎない。周囲から評価され、「やってほしい」と期待されているならば、その思いに応え挑戦するべきだと考えました。

2つ目はその先の人生の選択肢の幅でした。セールスフォースに在籍すれば安泰な人生かもしれませんが、先々のキャリアの道は限定されます。けれど、外に出て新たなチャレンジに挑めばリスクは伴っても、その後の選択肢は限りなく広がる。今も人生の岐路で悩んだ際には、その先の自分の選択肢を広げることにつながるかを判断の基準の1つとしています。

3つ目は妻の言葉でした。ちょうどコロナ禍で、自宅で15分刻みのオンラインミーティングに終始している私の姿を見ていたこともあったのでしょう。迷いを打ち明けると「外の世界に出るべきじゃないの」と。一時期、海外に留学していた際に周りのファミリーを見ていて思ったことですが、仕事も大事だけれど、最後に帰る場所は家族の元。大事な家族の理解を得られたことも、大きな後押しとなりました。

また、通常であれば、ロサンゼルス本社に出向いて面談を受けるところでしょうが、オンラインでCROとカジュアルミーティングの延長戦上で、社長就任が決まりました。オフラインであれば、あれこれ理由を付けて渡航を引き延ばしていたかもしれない。これもタイミング、めぐり合わせだと感じています。


メンバーのいいところを見定め、さらに伸ばす企業カルチャーを醸成していく

――社長に着任して、約1年5か月。目指す企業、リーダーのあり方に向け、着手されたこと、発信されたメッセージなどを教えてください。

宮﨑 先にも触れましたが、私自身が目指すリーダー像とは「社員一人ひとりのパーソナルゴールの達成を一緒に目指し、それをコーポレートゴールと繋げていくこと」というもの。まずは「みなさんのパーソナルゴールを知りたい」と全社員と1on1のミーティングを行いました。

2つ目として、企業として何を目指し、何を実現していくのか。マネジメントチームで集まり、ビジョン、ミッションの見直しを行いました。

全社員がそれぞれ感じる自分たちのサクセスを実現していく延長戦上で、お客様やパートナー企業のサクセスを目指す組織を作っていこうと定義しました。

さらにそのVisionとMissionを実現していくための日々の行動指針となるCore Valueを全社員で1日かけて話し合って決めました

Core Value:「Passion & Fun」「Raise the Bar」「Welcome Welcome」「+α」「4 Happy」

先にも述べたように“十人十色”、“百人百色”。社員1人ひとり、それぞれ個性が違えば、私よりも圧倒的に優れている能力を持ち合わせています。メンバーのいいところを見定め、そこを伸ばすような企業カルチャーをしっかり醸成していきたいと考えています。

その観点では、Japan Cloudの関連会社としての立ち位置で、パートナー陣、メンバー陣が持っている数多の実績や経験に基づいたアドバイスを常に享受できることや、各企業代表との横連携で情報交換やベストプラクティスのシェアができることなどは、日本法人トップとして中長期的視点でビジネスの基盤の構築に取り組む上で、合理的かつ安心感のある仕組みだと捉えています。

――グローバルの中の日本法人という位置づけでは、今年度、米国本社やアジアパシフィックのグローバル会議などに参加されたとうかがいました。どんな刺激、気づきを得られたか、お聞かせください。

宮﨑 米国本社への出張では全世界のリーダーが集まり、数字にしっかりコミットしマネジメントに取り組んでいる様子に大いに刺激を受けました。また、アジアパシフィックの会議では日本法人の取り組みが「先進的でリードしている」という評価を得ることができたのはうれしかったですね。

世界における日本の立ち位置を理解し、ベストプラクティスをアジアパシフィックに輸出し、グローバルにおけるポジションを上げていこう。そんな具体的な目標につなげることができたのは次につながるステップと捉えています。

――世界に遅れを取っているといわれる経理業務の変革を実現する企業のトップとしてのやりがい、意気込み、それに併せ、どんな方にこの仕事にチャレンジしてほしいか、一緒に成長したいか、求める人材像についても教えてください。

宮﨑 日本の経理の世界は約30年、仕事のやり方が変わっていないと言われています。一方、諸外国ではスコアキーパーのような数字をまとめる仕事の仕方から、FP&A(Financial Planning & Analysis、ファイナンシャルプランニング&アナリシス)のように経営判断に資する情報を提供するという仕事の形が、既に確立されつつあります。

CFOの存在感がとても大きく、CEOの右腕として位置づけられているのも大きなポイントです。

グローバル市場での競争、M&Aが不可欠な世界、不確実性の高い未来に向けて日本企業の底力を発揮するには、CFO、経理パーソンの存在意義の向上が欠かせません。経理は、もっと進化できる。その進化を支える世界を作っていきたいと考えています。

新しくジョインしてもらうメンバーとしては、その新しい世界、市場を作るというプロセスにワクワクする方、様々な障壁がやってきても「それを乗り越えることが自己の成長に繋がるんだ」と思える方と一緒に働き、成長していきたいですね。


「得意淡然 失意泰然」――好調な時こそ大切にしたい謙虚な姿勢

――20~30代のキャリアに迷っている世代に向けて、アドバイスやメッセージをお願いします。

宮﨑 セールスフォースでミッドマーケット部門の創設にチャレンジしていた際、思っていたのは苦しいことは絶好の成長機会。今、もし壁にぶつかっていたとしても、その痛みを乗り越えた先には、必ず一歩成長した自分、チームに出会えるはずです。

一方、営業マネジャーだった際には、成績が好調な部下に「好調な時こそ謙虚な気持ちでいるべき」ということも常々伝えていました。

自身の経験を踏まえた私の座右の銘は「得意淡然 失意泰然」。営業だけに限らず、どんな仕事でも「調子のいい時は驕り、悪い時は落ち込む」ということがあると思います。ただ、人間は奢るととかく道を外し、落ち込んでしまうと後ろ向きになっていいアイデアが浮かんでこなくなるもの。

そういう状況下に陥ると、気づけば人は離れていくものです。そうならないように常に平静でいることを自分にも戒めています。

また、20代、30代のころの自分に助言するならば、目の前の仕事を着実に集中して取り組むこととは別に、自己研鑽の時間を別途作って興味のある専門知識への啓蒙を深めていくようなことも人生を豊かにしてくれることにつながると思います。

新たなフィールドに挑戦してみたいと考えている方、まずはパーソナルゴールをぜひ聞かせください。その延長線として当社が掲げるゴールを一緒に目指してみませんか。




「生き方・キャリアに悩んだ時にぜひ読みたい」――宮崎さんのオススメ本

  • 『1日1話、読めば心が熱くなる、365人の仕事の教科書』 藤尾秀昭監修 致知出版社

名経営者、一流のプロフェッショナル、365人が贈る仕事・生き方のバイブル。1日1話1頁で読めるのもポイントです。

  • 『嫌われた監督』 鈴木忠平著 文藝春秋

中日ドラゴンズの監督を務めた落合博満。輝かしい成績を挙げながら、語らず、群れず、嫌われながらも自身が考えるプロとしての姿勢を貫いた生き方を描いた本。仕事のプロ、リーダーとしてどうあるべきかを考えさせられます。

  • 『 1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え』

エリック・シュミット、ジョナサン・ローゼンバーグ、アランイーグル著 ダイヤモンド社

スティーブ・ジョブズの師であり、グーグル創業者たちをゼロから育て上げたコーチ。アマゾンのベゾスを救い、ツイッター、ユーチューブCEOらを鍛え、シリコンバレー中の企業に空前の成功をもたらした伝説のリーダー、ビル・キャンベルの人生を描いた本。コーチング、チームマネジメントのあるべき姿について学べる好書です。

  • 『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』

岸見一郎・古賀史健 著 ダイヤモンド社

フロイト、ユングと並ぶ心理学界の三大巨匠、アルフレッド・アドラーが解く対人関係を改善していくためのアドラー心理学。人間関係や人生に悩んだ時にオススメです。

ブラックライン株式会社
https://www.blackline.jp/

2022-07-27

関連会社リーダーに訊く!第2回 ブラックライン株式会社 代表取締役社長 宮﨑 盛光氏 前編 「入った会社が2社破綻。組織に依存せず、自分の手でチャンスをつかみ、自身の力で勝負する大切さを学びました」

Japan Cloudやその関連会社の魅力、特徴をお伝えするべくスタートしたリーダーインタビュー。前回に続き、第2回はブラックライン株式会社 代表取締役社長の宮﨑 盛光氏です。

同社は2001年、米国・ロサンゼルスで創業。経理・財務分野の生産性・付加価値向上をDX(デジタルトランスフォーメーション)で実現する経理業務変革プラットフォーム「Black Line」を提供し、導入企業は130か国以上、約3900社に及びます。また、ガートナーが発表する「クラウド決算ソリューションのマジック・クアドラント」で4年連続でリーダーに選ばれるなど、この分野でのパイオニアと評価されています。

日本法人は2018年8月、設立。宮﨑氏は2021年2月6日より社長に就任しました。前職ではセールスフォース・ドットコムで常務執行役員などのポストを歴任し、クラウド型業務向けソリューションを多くの企業に提案し、関係を構築。チームマネジメントにおいても豊富な経験、知見を要している点などへの期待が、カントリーマネジャー就任の話につながりました。

そう聞くと順風満帆な人生を送ってきたようですが、さにあらず。新卒で入った会社、次に転職した会社もが破綻の憂き目に遭う波乱万丈な20代を送ったといいます。

今回もNGなし(!)で、山あり谷ありのキャリアから得た気づき、外資系企業トップを選んだ理由も包み隠さず公開します。


逆境をバネに「営業が厳しい」会社に身を投じる

――社長就任前のキャリアについて教えてください。入った会社、2社が破綻するという経験をお持ちと聞き、驚きました。

宮﨑 2回というのはなかなか珍しいかもしれません(苦笑)。1998年、新卒でノンバンク系のリース会社に入ったところ、半年後に会社更生法下に置かれる事態となりました。金融ビッグパンの少し前で金融機関が潰れるなんて思ってもみなかった時代です。最終的にはGEキャピタルの傘下に入り、私自身、英語習得の必要性を体感するような機会にもつながりましたが、会社更生法下にあっても債権回収には回らなければならない。世間からの手厳しい対応も味わいました。

2002年2月に入ったニイウスでは大手金融機関を担当する営業本部長を担いましたが、08年4月、債務超過で民事再生法下に置かれ、責任者として取引先へ謝罪行脚に回る日々を送ります。

この経験で強く意識し、今も自分の価値観の軸になっているのが「会社に依存することなく、自分でチャンスをつかみ、自身の能力、スキルで勝負する生き方を貫いていこう」ということです。

その一歩として、「もう一度、営業という大好きな仕事に集中できる環境に身を置きたい」「新しいフィールドでチャレンジしたい」という気持ちから、「営業が厳しい会社」とエージェントに紹介され、08年12月、入社したのがセールスフォース・ドットコムです。

当時のセールスフォースは社員100名ぐらいの会社で、日本での知名度はまだこれからという時期でした。

新たな道の選択に一抹の不安がなかったわけではありません。当時、まだ珍しかったインサイドセールスの取り組みも先駆けて実践しており、自分の力を試したいという強い思いから厳しい現場に身を投じることとなりました。


「人間は1人として同じではない」。チームマネジメントの重要性を知る

――営業には自信を持っていたものの、中堅企業向けのミッドマーケット部門の立ち上げを任された時は、なかなか成績が出ず苦労されたとか?

宮﨑 入社して2年目にトップセールスの実績を経て、マネージャーに昇進。新規市場の開拓を担うこととなりました。前職でも営業部門のマネジャーは経験していたものの、新規テリトリーの創出という勝算が読めない試みの中で、成績を達成するまでには4年を要しました。こんなに時間がかかったのは初めてのことで、正直辛かったですね。

しかし、私の信条は「逃げない」こと。様々な逆境を経験してきて、セールスフォースで営業の力を試そうと入って、個人では成果を出したけれど、次はマネジャーとしての力も立証したい。

一歩でも前へ前へとチームで仕事を進め、1年目で目標数値の75%、2年目で85%、3年目95%、4年目で100.6%と、一度も前年の数値を下回ることなく目標を達成できた時は本当にうれしかったですね。

――苦しい状況下、マネジャーとしてどうメンバーを鼓舞していったのでしょうか。

宮﨑 常に「今期は絶対達成しよう」という強い思いで臨むわけですが、年度途中で目標達成が厳しい状況に陥っても、「ここだけはクリアしよう」「この数値では負けないぞ」と、細かいKPI、セカンドゴールを数多く設けて、モチベーションが下がらないようなチームマネジメントを心がけていました。

その背景には、前職では28歳でマネジャーになった際の手痛い失敗の経験があります。当時の自分は営業に自信がある分、部下にも同様のレベルを求めてしまう。「自分ならできるのに、なぜできないんだ」と、営業目標を下回ってしまったメンバーに厳しい姿勢で臨むこともたびたび。ついに辞めてしまうメンバーが出て初めて、「これではいけない」と気づいたんです。

今でも、企業カルチャー醸成に際し注力していることは、人間は1人として同じではないということ。仕事への思いや生き方の価値観も違う。現職に就いた際、会社のゴール以前に、従業員一人ひとりが目指す人生としての成功やゴール、パーソナルゴールをヒアリングしたのも、その際の気づきがあったからこそです。

セールスフォースには12年間在籍しましたが、入った時は従業員100名の組織だったのが、辞めるころには4000名ぐらいの企業へと大きく成長しました。チームメンバーと“成長の痛み”を共有しながら、自身の成長と共に会社の成長に寄与できたというのは、かけがえのない経験だったと思います。

後編はこちらから

2022-07-01

面接で「マネージャーになりたい」と言われた時に思うこと

面接において「転職の理由」を伺う時に、少なくない回答です。

「マネージャーになりたい」
「マネージャーになれる環境を求めている」

賛否両論あるでしょうが、個人的には、転職を機にマネージャーを目指すというのはあまりお勧めできません(余談ですが、転職を機に「タイトルを上げたい」というのも同様に思います)。

過去マネージャー経験のある方であればともかく、初めてだけどマネージャーになりたい、それを転職と共に実現したい、というのはよく考えれば、お互いにリスクが大きい。「今じゃなくても良いけど、約束して欲しい、前提として」という場合もありますが、これも然りですよね。

ここでいう「マネージャー」とは、タイトルに「マネージャー」がついているということではなくて、いわゆるPeople Manager=管理職、という意味です。マネージャーではない方のことをここではIndividual Contributor(IC)と呼びます。


判断が難しい理由

マネージャーとしての失敗・成功体験がない方に、転職という何かしらの未知の領域が存在する新しい環境において、自社の大事な人材を束ねて(サポートし)、成果を最大化させることを任せる、という判断はどのような要素が揃えば、採用する側の会社はGoの判断ができるでしょうか。私には皆目見当がつきません。

先日、2年ぶりの海外出張に米国、アリゾナ、カリフォルニアに行ってきまして、様々な組織・人事課題について見聞きし、議論する機会に恵まれました。

その中で教えてもらったことで、特に印象に残っていることがあります。それは、米国のスタートアップの世界で、急成長する会社において、管理職経験のない方が、あっという間にICからVice Presidentとなり人を率いる立場にになってしまう。そこで、様々なPeople Issueが生じているというのです。Issueとは?と尋ねると、コミュニケーション、部下育成、パワハラ、セクハラなどなど。コーチングや1on1の仕方など教育を受けて、身につける間もなく管理職になってしまうことによって、組織に大変な歪が生じている、ということでした。

米国の管理職研修は、日本よりもだいぶ進んでいる印象をずっと持っていましたし、今もそう思っています。どんなに年を重ねても、大学院に通ってビジネスや人について学んだりする方も多くおられたり、人材マネジメントや、コーチングなど様々な教育機会が社内外に溢れています。そんな米国でさえ、こんな問題が起きているんだと、とても興味深くお話を伺っていました。もちろん、一定規模の会社でLearning/Talent Developmentの機能が整っている状況で、しっかりSuccession Planning(後継者育成)をしている間もない状況で起きているという特異性はあると理解しています。


私が必ず伺う「問い」

「マネージャーになりたい」と面接で言われた時に、私が必ず伺う2つの問いは、「なぜですか?」「今の会社で目指してはいかがでしょうか?」というものです。前者については、(一人ではできない成果を出したい、と言われるケース多いです。そこに対してそれは何故?なぜ自分ができると思うのか?と踏み込むと)明確な答えがない場合も少なくないです。後者については、ほとんどの場合「ポジションがない。空かない」と言われます。私は意地悪で聞きたいのではありません。マネージャーとしての適性があるかどうかを判断するためには、面接という僅か数十分の時間での判断ではなくて、じっくり時間をかけて自分自身を知ってもらう必要があると考えているからです。その現場で成果を出すことは基より、それ以上に、人となりを周囲の複数の方々に知ってもらって

「人を任せたい=複数名をマネージしてもらうことで(最低でも足し算、願わくば)掛け算の成果を出せる人である=人の成長とモチベーションの向上、行動の質や量の向上を促せる人である=組織のパフォーマンス向上とその仕組み化を考えられる人である」

少なくとも可能性を感じ、任せてみたい、と思ってもらう必要があると考えています。

このように感じてもらいやすい人はどんな特徴があるでしょうか?

・個のパフォーマンスだけではなくて、チームの成果最大化に熱心である。
・成功事例や失敗事例、各種ナレッジをまとめて、皆に共有することを厭わない。実際に勉強会などのマスの場、あるいは個別にそれを「既に」実践している。
・若手や新人などに「教えること」が好き、かつ得意である。周囲が聞きに来る存在である。
・皆が納得するパフォーマンスを上げている、などなど。

他にも色々とありそうです。一方で、「マネージャー向きじゃないよね」という特徴があるもの事実です。ここでは触れません。

と、色々と考えていくとマネージャーポジションが空けば、マネージャー経験者(マネージャーとして実績を出したことを自他共に認めている方)を採用したい、となるのは自然なことだと思います。一般的に外資系企業の場合、マネージャーには組織目標だけでなく採用・評価などの大きな権限と責任が伴うとても大きな役割です。部下数名の人生(大げさかもしれませんが)がかかっていると言っても過言ではないと思いますし、今も昔も退職理由ランキングの1位は「マネージャーと合わない」ですよね。


「マネージャーになりたい人」が多過ぎ?

ところで、そもそもなぜ「マネージャーになりたい」という方がこんなに多いのでしょうか。私のガッツフィーリングですが、欧米企業よりも多い気がしてなりません。そして、これは私の仮説ですが、この国には「出世が大事」「出世=管理職」という固定観念が古くから醸成されているような気がします。

人事制度の観点から見ても、いわゆる等級制度(グレード)の階段が、常に管理職が上。IC向けの等級には天井があり、給与もそれ以上は大きく伸びないケースが多かった。10~15年ほど前からでしょうか?管理職でなくても専門職は管理職と同等の処遇をすべきという考え方が広がり、フェローという仕組みや、管理職と少し重複する位置付けとして専門職の高度な等級が誕生した会社も少なくないと思います。

かくいう私も20代前半の頃、周囲の先輩から、「目標は?」と聞かれた時に答えを持ち合わせていなかったため、適当に(それらしく)「30歳でマネージャー、年収1,000万円になることです!」と元気に答えていた時期がありました。何も裏付けも根拠もない。新卒の時に「自分は将来、経営者になりたいです」と面接の時にこれまた何の根拠もなく叫んでいたのに近しい気がします(この発言のせいで、私は希望だった営業職ではなくて人事総務部配属になってしまった気がします。今の自分のキャリアもここが出発点でした)。今考えても、「なぜ?」と問われると答えがありません。

マネージャーや経営者は、偉いとかなんとかではなく、「役割である」ということに気付くには私は比較的時間がかかりました。小さいチームながらマネージャをさせて頂いたことも、そうでない期間も両方経験ありますが、私はどちらも好きです(得意かどうかは問わないでください。。)。どちらも結局は役割を果たすプロフェッショナリズムが求められる。社会人20年となった今、ICで働いた時には気楽で良いなと思うこともあります笑。

最後にもう1点。


マネージャーの語源

マネージャーという言葉の語源を見てみましょう。下記は、私が人事コンサルタントをやっていた頃、大好きだったパートナーがクライアントに良く話していたことで、とても心に残っているものです。

Manager。分解すると、man「手」-er「人、もの」と分解され「手で取り扱う人」を意味しますが、その語源はイタリア語「manus」。昔まだ人が馬に乗る際に鞍も手綱もないころ、馬の様子を目で見て、馬の動きを体で感じて、手で馬を走らせる行為を意味していました。

つまり、マネージャーとは、相手(この場合は部下)の状況を感じ取る力があり、うまく一緒に進んでいける人ということだと思います。

これができるようになるには、訓練も必要でしょうし、人間としての成長も必要な気がします。だからこそ、この世の中には「優秀な社員をマネージャーにしてみたが、ワークしなかった。何度か挫折をして、それを乗り越えてとても優秀なマネージャーになりました」のような話がたくさん存在するのだと思います。


焦らずまずは結果を出そう

転職時にマネージャーを目指すのは、どうか?というのが本ブログのテーマでした。確かにポジションがないという現実もあるでしょう。しかしながら、成長企業にはポジションが生まれます。成長していない企業であればやむを得ないといのもあるでしょう、であれば成長するポテンシャルのある企業に足を踏み入れて、Individual Contributer(非管理職)として成果を出し、自分を知ってもらい、マネージャーを目指すのがやはり良いのではと思うのです。

余談ですが、そもそも自分ってどんな人なのか、マネージャーに向いているのか、なかなかわかりませんよね。大いにバイアスがかかっているものと思います。そんな時は、自分以外で(本当のことを言ってくれるタイプの)方に勇気をもって聞いてみることをお勧めします。

Japan Cloud関連会社での新しいキャリアパスはこちらをご覧ください。
https://japancloud.jp/career-top

2022-06-15

「日本郵政グループは、『みらいの郵便局』を目指しながらも、全ての人が利用できるライフラインであり続けることが必須」 ー Japan Cloudインタビュー:株式会社JPデジタル CIO 柴田彰則氏


今回は、株式会社JPデジタルのCIO(最高情報責任者)を務める柴田彰則氏をご紹介できることを嬉しく思います。柴田氏は日本郵政グループのDX(デジタルトランスフォーメーション)を主導していますが、日本郵政グループの事業規模と複雑さを踏まえれば、それがどれほど大きな取り組みであるかご理解いただけると思います。日本郵政グループにとって、公共の使命を忠実に果たしながらイノベーション(革新)とトランスフォーメーション(変革)を進めることは、終わりのない取り組みです。

1990年代後半、柴田氏は私が日本オラクルにいた頃の同僚でした。2012年、日本オラクルに15年以上在籍した後に柴田氏は日本郵政へ転職したのですが、今回お話しいただいた転職の動機など、私にとっても大変示唆に富むものでした。

(以下敬称略)


公共サービスでありながら損益を念頭に

福田: まず、日本郵政グループについて簡単にご説明いただけませんでしょうか?。

柴田氏: 日本の郵便事業は1871年に始まりましたが、今日「日本郵政グループ」というとき、郵便事業の日本郵便株式会社、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命保険の3社と、郵便事業を100%所有する上場企業の日本郵政株式会社を指します。2007年の日本郵政公社の民営化に伴い組織が再編され、現在の形になりました。ゆうちょ銀行およびかんぽ生命保険はいずれも上場しています。3社を合わせると約400,000人の従業員がいます。

日本郵政グループを理解する上で鍵になるのは、当社が提供しているのはかつて公共サービスだったこともあり、現在も確固とした使命感を持ちながら仕事に臨んでいるということ、またこれと同時に株主の皆様に対する説明責任も果たさなければならないということです。 そのためには変革を進め、効率性と生産性を高めなければなりません。

デジタルテクノロジーを活用した利便性の高い「みらいの郵便局」を目指しながらも、高齢者から体の不自由な方まで、これまでと変わりなく、全ての人が利用できるライフラインであり続けることが必須です。

日本郵政グループの従業員は各地域で大切な役割を果たしています。これは特に地方において顕著です。私たちには公共サービスを提供する法的な義務がありますが、従業員の義務感は企業文化にも深く根付いており、日本郵政グループのDNAに刷り込まれています。

このような背景から、ビジネスをうまく運営していく必要と、変えられないこと、変えてはいけないこととのバランスを取ることが、私たちにとっての課題になります。


日本郵政グループの変革は日本の変革

福田: 日本オラクルから日本郵政への転職は非常に大きな飛躍だと思いますが、実際のところはどうでしたか。

柴田氏: 日本郵政はオラクルの顧客の1社だったので、私自身同社とその諸課題をよく知っていましたが、私はソフトウェアを売るだけでなく、さらにその先のことをしたいと思っていました。オラクルは卓越した製品とサービスを提供する素晴らしい企業ですが、 最終的にその目標は売上を伸ばして収益を上げるところに行き着きます。

私はそれ以上のことを求めていて、日本をより良い方向に変えたいと考えていました。 そして、日本郵政グループは日本の社会インフラの一部を担う存在であることから、日本郵政グループを変えることができれば日本を変える方法も自ずから明らかになると思いました。このような理由で、これこそ私が生涯をかけて取り組むべき仕事だと考えたのです。これが当時の私の正直な気持ちです。


クラウドを早期に導入

福田: そういった背景をお話しいただけることに感謝いたします。以前のインタビューで、日本郵政グループのDX戦略はオンラインとオフラインの融合、モバイルの推進、データの活用という3本柱で成り立っているとお話しされてましたが、その戦略全体において、クラウドはどのような役割を果たしますか。 日本郵政グループは早い段階でクラウドを導入しましたが…

柴田氏: 2007年にセールスフォースを導入したという意味では、大規模な組織としてクラウドを早期に導入したことは確かです。セールスフォースは、郵便サービスのフロントエンドで使っています。クラウドのお陰でトライ・アンド・エラー式のアプローチを行い、お客様とのエンゲージメント、ワークフロー、また全国24,000以上の郵便局間での知識共有の革新を、柔軟に進められるようになりました。

ただし、他の多くの大規模組織と同じように日本郵政グループも非常に数多くのシステムを運用していて、完全なハイブリッド環境となっています。 日本郵政グループ独自のデータセンターがあり、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の基幹システムでは複数のメインフレームを使っています。ゆうちょ銀行もかんぽ生命も新しいフィンテック(金融向けデジタルサービス)ソリューションはもとよりクラウドをもっと活用したいと考えていますが。

全体的に見るとまだ環境は非常に硬直的で、規制の諸課題もあり、より柔軟性を高めるとともに、もっとオープンにしていかなければなりません。複数の既存システムに新しいソリューションをうまく統合していくことも必要です。そして、これを実現するためゼロトラスト(社内外問わず、組織の情報資産にアクセスしようとするユーザーは一切信用せずに検証することで、セキュリティーを維持する考え方)の導入を始めております。この部分こそ、クラウドベンダーの皆さんが私たちを適切に支援できる部分であると思います。


変革する組織をどう創るか

福田: 日本郵政グループのトランスフォーメーションを進めていく上で直面している課題はなんでしょうか。

柴田氏: 最も大きな課題は、既存の従業員の意識改革およびデジタル人材の採用と育成です。これは、これまでの考え方、やり方を全て否定しているものではありません。ただ、これまでずっとやってきたからという理由だけで、これまでのやり方に固執してはいけないということです。

日本郵政グループでは、従来の前例踏襲型ではなく、実利やポテンシャルを追求し、行動するようになってきました。「なぜ」「どのように」という視点にこだわることで、新しい価値を生み出していこうと考えています。

とは言え、現在のインフラストラクチャは非常に巨大で、また複雑です。 さらに、無数の規則や規制もあります。全国の郵便局を網羅するパソコンやネットワークの維持管理だけでも、途方もない時間とコストがかかります。メガバンクであれば支店を減らすことも可能ですが、法律により、郵便局の数を維持することが求められています。私たちはこのような背景を踏まえて現実的に対処しなければならず、お客様への価値提供という意味で最も大きなインパクトを与えることができる部分に注力する必要があります。

国内の他の多くの大企業と同じように、日本郵政グループもベンダーへの依存度が高すぎるということも付け加えておきます。クラウドの展開によってより反復的でDIY的なアプローチが可能になりますが、ベンダーへの依存度の高さはこの目的を損なう要因になります。成果物については、私たちがオーナーシップを持たなければなりません。これがJPデジタルという企業が存在する理由の1つでもあります。


お客様と「共に」創り上げる

福田: 日本郵政グループのDX戦略ではデータを活用することが3本柱の1つになっていますが、今はデータ活用という取り組みの中のどのあたりにいますか? また、日本郵政グループの顧客層は途轍もなく幅広いものですが、それらの顧客のニーズへの理解を深めて対応していくために、どのような手法で臨んでいますか。

柴田氏: おっしゃるとおり、グループ3社にわたりお客様とのやり取りを通じて膨大な量のデータを利用することができます。 このデータを活用してお客様への理解を深め、よりパーソナライズされたサービスを提案することを目指しています。この戦略に基づいてグループ3社のデータ基盤の構築を進めている最中です。

サービス設計および開発のプロセスにお客様の関与を促す部分については、お客様視点で設計を行う「デザイン思考」のアプローチを手がける社内チームを置いています。日本郵政グループは、以前からお客様を大事にする文化が根付いていますが、今はお客様がサービス設計に参加できる反復的なプロセスを確立しています。これは私たちにとって重要な取り組みの1つです。

だからといって、全てのサービスをオンライン化するわけではありません。郵便局は全ての人のために存在し、便利、かつ魅力的なところにしたいと考えています。使える人だけが使えるデジタルサービス、モバイルサービスではなく、これまでの郵便局と同様、誰もが使えて社会全体に役立つもの、ユニバーサルなサービスであるべきで、これを構築することが真のデザイン思考の目的だと考えています。


実践から学ぶ

福田: よくCIOの皆さんに、さまざまな新しい技術に後れを取らないようにするためにどうしていますか、という質問をしているのですが、その点についてはいかがですか? 新しいテクノロジーやトレンドを学ぶためにどのようなアプローチをとっていますか。

柴田氏: 一例として挙げられるのが、ゼロトラストです。例えば最新のクラウドソリューションを導入することになって、社内外のプロセス間の障壁を取り除かなければならないとなったとき、ゼロトラストモデルが必須になります。

中には僻地や山間部等、必要な通信速度に対応できない地域もあります。このような地域ごとの差異に対応できる十分な柔軟性を維持したままで高いセキュリティを持ったアーキテクチャを構築するために、ベンダー各社と密にコミュニケーションをとっています。

当然、セミナーに参加したりレクチャーを受けたりする時代はもう終わりました。ユーザーコミュニティの一員として他のユーザーから学ぶことこそ、私たちが進むべき道です。

また、ベンダーとパートナー関係を結ぶとともに、ベンダーを単なるアウトソース先としてではなく共に協力してソリューションを作り上げることが重要であると強く信じています。

OJT(On-the-Job Training)形式にすることで、成果物のオーナーシップは私たちが保有しながら、新しいソリューションややり方などを学ぶことができ、社内の人材を育成することもできます。私たちが進めているゼロトラストモデルは、このアプローチの一例であると言えるでしょう。


パートナーと「共に」学ぶ

福田: それが新しい人材の獲得と育成に関する次の質問につながってきます。DXの実現に必要なデジタル人材の育成をどのように行っていますか。

柴田氏: 人材育成については2本立てのアプローチを採っています。1つは日本郵政グループ内の研修機関と連携したアプローチで、例えばPythonによるプログラミングといったような技術知識の習得だけではなく、お客様を理解し、今申し上げたデザイン思考的なやり方でお客様とともにサービス設計を進める方法を習得することに焦点を置いています。

もう1つはJPデジタルの社内で行っているアプローチで、社外のフリーのスペシャリストと契約して、新人など社内で研修の必要なメンバーがこれらのスペシャリストとパートナーを組んで問題解決にあたったり、トライ・アンド・エラー式の進め方で学んだりしていくやり方です。

このOJT式のアプローチは、高いコストのコンサルタントを使って進めるよりも生産性が高いと感じています。先ほども言いましたが、成果物のオーナーシップも私たちが持つことができます。


「みらいの郵便局」を目指す一方、誰もが利用できる地域社会のライフラインであり続ける

福田: 今後5年から10年後の未来について、柴田CIOが描く日本郵政グループの目指す姿を教えてください。また、日本郵政グループと協業したいと考えているグローバルクラウド企業にアドバイスを提供するとしたら、それは何でしょうか。

柴田氏: まず何よりも、私はクラウドの革新者であるクラウドベンダーの皆さんの情熱、製品に対する信念、企業にもたらすイノベーションをとても高く評価しています。オラクルにいたときは、皆さんと同じ気持ちで仕事をしていました。私も同じ業界にいた身です。

グローバルクラウドベンダーの皆さんにアドバイスがあるとしたら、日本郵政グループのような大規模で複雑な組織のニーズへの理解を深めてください、ということです。

私たちはイノベーションにフォーカスしながらさまざまな新しいアプローチにチャレンジしていますが、依然としてセキュリティやレガシーシステムとの統合といった基本的な課題には対応していかなければなりません。このような組織は日本郵政グループに限らず数多くありますし、日本に限った話でもありません。

このため、クラウドベンダーの皆さんは適切な製品を薦めることに加えて、顧客への理解を深めるとともに、顧客が日々実際に直面しているさまざまな現実の課題を把握することに努めなければなりません。まずは基本を正しく押さえなければ、イノベーションを進めることはできません。

デジタルやモバイル、データを活用した「みらいの郵便局」を構築しながら、全ての人が利用できる地域社会のライフラインであり続けることを目指しています。

私たちがこのビジョンを実現する上で、クラウドは重要な役割を果たすことができると信じています。

2022-06-08

コロナ渦によって「思っていた自分と違った」ことを知った話

少しずつ、少しずつ、コロナのことを忘れる時間が増えてきた気がします。
(多分に願望も含んでいると思う)

都合の良いことはどんどん忘れる自分。でも、今回のコロナとの出会いについては、忘れてはいけないことがたくさんあると思います。

はじめて報道で聞いた時、日本にウイルスが入ってきた時、緊急事態宣言が出た時、買い占めが起こると聞いた時、県外をまたいで移動はNGとなった時、2回目の宣言が出た時、変異株が出た時、終息まで2年かかると聞いた時、飲み会解禁となった時、ワクチン接種が開始された時、などなど、コロナ渦中は心を揺さぶられるタイミングがたくさんありました。

右に行くか、左に行くか、立ち止まるか、下がるか。何度も何度も判断を試されましたが、それぞれの時の自分自身の反応を振り返ると、実に大切な自分を見つめる(リフレクション)機会になったと痛感しています。

私が今回の件で、一番心に刻んでいるのは、思っていた自分と違ったこと。元来自分の強みは「変化対応力」「柔軟性」と思っていましたが、そうでもなくて、むしろ「変化に抗う因子にもなるんだ」ということを知り、嫌な気持ちになると共に、今後に活かしたいなと強く思いました。


コロナと採用面接

私は、米国を中心とした外資系IT企業を日本に誘致し、展開していく(合弁の形で日本法人を設立します)ベンチャーキャピタルで働いています。その中で採用候補者との面接をすることが多くあります。毎日2~3名の方と会話することが多いですが、いわゆるBeforeコロナは、六本木のミッドタウン内にある貸し会議室を予約して、常に対面型で面談を行っていました。

3月頃、コロナの感染が拡大してきて、私が属する組織でもリモートワークに切り替えよう、という機運が生まれました。しかし私は「面接は対面の方が良い」「対面じゃなきゃいけないのではないか」と考えて、一番最後まで会社に出社していました。そしていよいよ緊急事態宣言が出て完全リモートワークに切り替えようと社内でガイドが出て、すべての面談をZoomを用いたウェブ面談に切り替えた途端、「ああ、なんで対面にこだわっていたんだ…」となったわけです。会議室の予約も必要なければ、極端な話お互いに30分で切り上げたい場合でもそれほど失礼にならない(ご足労頂いた、となればそうはいかない)し、「(あまり本気ではないけれど)カジュアルに会ってみよう」という温度感でも面談が組めるようになりました。

そして、およそ全ての仕事がリモートでも完結できると感じていた頃、少しずつ感染が収まりだして、週に1度は出社してミーティングをしよう、となったのですが、チームMtgにおける対面の価値は大きく感じた一方で、こと面接に関していえば、会議室の調整や移動などを考えるとウェブ面談第一からは戻らぬ状態となりました。もちろん、最終面接やオファー面接など、一度は対面で会った方が良いという思いは持っています。

変化が大事、と頭でわかっていつつも、自分自身、外的要因がなければ変化できなかった現実に本当にげんなりしてしまいました。

これまたバイアスですね。。

※バイアスに関する記事はこちら


対面の価値

一方で、最近少しずつ対面でのミーティングや面談をやるようになって気付いたことがあります。それは「記憶への残り方の違い」です。Zoomで会話したものと、対面で会話した場合、後で振り返った時の記憶の残り方が大きく違う。対面の方が、しぐさや表情、強さ(場合によっては背丈などの容姿も)など、印象の強さがまるで違うと感じたことがありました。

人間は五感を使う、と言いますが、やはりそういうことなんだろうか。私なりに、「Why」を考えた時の一つの答えは「熱の伝導」です。

私は否定的でありましたが、よく言われる「プレゼンは中身は20%」は、あながち間違いではないのかもしれない、と感じました。ジェスチャー、ボティーランゲージ、声の大きさ、視線、匂いなど、人は「見た目」から多くの「熱」を感じているのかもしれません。

その昔、哲学者のアリストテレスが「人を動かすためにはロゴス(ロジック)・パトス(情熱)・エトス(倫理・信頼)」が必要といった有名な話を思い出します。

情熱というほど大げさなものではなくとも、36度を超える物質の塊である人間は、画面では伝わらない熱を常に帯びているんだな、という当たり前のことを感じました。日々日々の生活の中で、人がコミュニケーションし、何かを感じ、判断し、行動する。古今東西変わらない原理の中で、リモート環境でも大丈夫なこと、対面でないと駄目なこと。この2年ほど考えたことはなかったように思います。


不確実性の中での「判断」その背景にある「信念」「好き嫌い」

今、世界中の会社で、リモートを継続するか、オフィス出社にするか、ハイブリットか?と議論が巻き起こっています。

みなさんの会社はどうやって決めてるでしょうか?

他社のベンチマーク?社員アンケート?それとも社長の鶴の一声?

どんなプロセス、どんな結論でも良いと思うのですが、一つ感じたこと。
これが「カルチャーを作るということ」なんだろうな、ということ。
この意思決定プロセスや、結論、そして、その結果として会社に残る人、去る人。多くの働く人にとって、自分が「どこで」「誰と」「どんなスタイルで」働くかを見つめる機会になり、会社選びの大きなポイントにもなりました。それは、一人暮らしの方であれ、家族を持つ方であれ、ライフスタイルの大事な一部を定義します。オフィスに行くか、自宅か、都市か、地方か。生産性や効率性、色々な研究結果はあれど、おそよロジカルに「唯一の絶対解」は出せないでしょう。こんな時こそ、おおいに「自分の好き嫌い」に向き合い、それを大事にして、前に進むのだと思います。社長であれ、従業員であれ、一人の個として。

コロナによって「自分を知った」と書きました。きっと、会社、同僚、そしてやはり自分自身を見つめるとても良い機会になったのではないでしょうか。私にとっては耳の痛いことを、自分自身から聞かされた気分です。せっかくなので前向きに捉えて(それだけは得意笑)精進したいと思います。

2022-05-10

「バイアスとの長い旅路」

こんにちは。Japan Cloudの千葉です。

「あーまたバイアスだー」と思う日々。
私の日常はバイアスに満ちています。

先日こんなことがありました

マンションに住むパパ友の車(トヨタハイエース黒のカッコ良い改造車)のナンバープレートが「501」だったのを見て、

「●●さん、5月1日、ご家族誰かの誕生日ですか?何かの記念日ですか?」

それに対する答えは、

「いやー、千葉さん、僕は昔からずっとジーパン好きなんですよね。リーバイスですよ~」

なんと「リーバイス501」だったんですね。

車のナンバープレートを結婚記念日にしている私。いつの間にか、ナンバープレートは何かの記念日かランダムな数字なはずだ、と考えてしまっていました。なんとも情けない憶測です。

「自分と似ている人の評価が高くなってしまう」
「大企業経験が多いし、安定志向なんじゃないかと思う」
「こんなに転職してるんだ(そもそも「こんなに」の数の軸が自分基準)。きっと忍耐力がないんだろう」
「あの人が言ったんだから、間違いない」
「日本人ってこうだよね」
「東京から田舎に帰ったらしい、きっと東京の水が合わなかったんだね」

仕事の場面でも、プライベートでも、私たちの日常はバイアスに満ちています。

初対面の人と話して、あるいは誰かからのフィードバック・リファレンスを聞いて何かを判断しなくてはならない仕事をする一人として、このバイアスとの向き合い方にはいつも悩まされています。

そんな私にとって、忘れられない2つの体験があります。
身をもって経験したことは、自分の視野が狭まりそうな時に「気をつけなさい」と教えてくれています。


歯医者での体験(奥歯磨き)

10年ほど前になるでしょうか。歯医者で歯磨き指導を受けたことがあります。
「特に一番奥の歯に磨き残しが多いですね。ここはブラシが届きにくいんです。これをしっかり磨くには…」の説明に唖然としました。

「口を大きく開いてはダメなんです。ほっぺが引っ張られて固くなる。口を軽く開いて、ほっぺが柔らかい状態でブラシの柄と共に奥に押し込むんです」

言われた通りにやってみると、目から鱗。これまで届かなかったところに簡単にブラシが届きました。奥歯を磨くには全力で口を大きく開けていた私。まったく逆でした。
「目的を達成するために逆のことをする」という面白い体験でした。

17世紀のイングランドの詩人ジョージ・ハーバートの言葉を思い出しました。
「もっと早く終わるよう少し休め」


バスケ部での体験(より広く見て守る)

中学時代のことです。「ディフェンスの基礎」として鬼監督に叩き込まれたこと。
それは、「『目の前の相手に焦点を合わせない』『一歩下がる』と視界・視野が拡がる」ということ。

(詳細は割愛しますが、マンツーマンディフェンスで自分の相手がボールを持っている場合を除いて)マンツーマンディフェンスであれ、ゾーンディフェンスであれ、どこにも視点を集中させない(ぼやっと全体を見る)、そして、一歩下がる(下がり過ぎるとダメだが、両目の端で広く全体が見える)ことで、ボールがどこにあるか、ボールを持っていない人たちがどう動こうとしているか、味方の守りのフォーメーションの状況など、ゲーム全体の動きを理解し、一人一人が最も良いパフォーマンスを発揮し、結果的にチームとしての守りの力を高めることができました。

これも「木よりも森を見よ」を体で覚えさせられた原体験です。
とにかく怖い監督でしたので、まさに「頭に」ではなくて「体に」染み込みました。(笑)
その他にもその手の原理原則を叩き込む監督でしたが、ミニバス経験者のいない田舎の中学校が、県内屈指のチームに成長できた理由だったのではないかと思っています。


2つの体験は、私に「いや、逆なんじゃないか」「固執し過ぎず、ちょっと、一歩引いてみよう」と問いかけてくれています。

おそらくは「バイアス」を消し去ることは不可能なんだろうと思います。

だとすると、「どううまく付き合うか」が大事になる。
では、うまく付き合うためには、どうするか。
自分自身の処方箋をどう持てるか、なのかなと考えています。

・自分自身が「間違えた」体験を大事にする。
・「自分の解釈が合っているか、間違ったかどうか」を自分で判断せずに「積極的に聞く、聞きまくる」
・MECEを頭に思い浮かべる中で、その選択肢を多く持つ、また常に「その他」があることを忘れない

というのが今のところの私が意識していることですが、これまたすぐに無意識にバイアスのかかった判断をしている気がしてなりません。また、どんどん歳を取り、益々バイアスには磨きがかかりそうです。

できるだけ抗っていきたいと思っていますが、できるだけ努力して、その上で判断したことには、間違い含めて素直に認める、受け入れる。そんなことができる大人になりたいと思います。

2022-04-28

関連会社リーダーに訊く!第1回 nCino株式会社代表取締役社長・野村逸紀氏 後編 コミュニケーションポリシーの「Openに。謙虚に。正直に」に共感してくださる仲間と一緒に成長を目指したい

Japan Cloudの関連会社の魅力、特徴を深堀りすべく、各社リーダーの生の声を届ける連載企画。第1回に登場するnCino(エヌシーノ)株式会社代表取締役社長の野村逸紀氏のインタビュー後編では、目指す組織のあり方、どんなメンバーと成長を目指していきたいか。求める人材像とキャリア構築やリーダーシップのあり方に悩む若手マネジャーへのアドバイスも語ってもらいます。

(前編はこちらから)


正しく、議論を重ね、メンバー全員で経営を推進していく

――社長就任から1年半ほど経て、どんな取り組みを進め、カルチャー醸成においては何を重視していますか。

野村 大きく4つの柱の基、取り組みを進めてきました。第一にカルチャー醸成の前提としての組織づくりのベースをつくること。第二には企業としての認知度向上。第三には一緒にビジネスをする仲間とのパートナーエコシステムづくり。最後がお客様との対話を通じ、nCinoの価値提供を検証することです。

その大前提として私としては自分の弱点をさらけ出すことも厭わず、あくまでも対等な立場で社員と議論していくプロセスを大事に組織運営を進めています。

現在10名ほどのメンバーがそれぞれ様々なキャリア、強みを持っており、彼らの意見にしっかり耳を傾け、全員のパフォーマンスを引き出すことが創業期においては肝要と考えています。
特にエヌシーノにとって、日本市場ではまっさらの状態からのスタートで、誰もが正解が分からない。だからこそ正しく、たくさん議論をし、方針を決めていく。いわばみんなで一緒に経営をしていくというスタイルですね。

――そういったフラットな経営スタイルが、野村社長にとって心地良く、最終的にはパフォーマンス向上につながるとお考えになっているわけですね。

野村 はい。良いチームには様々な定義がありますが、当社ではコミュニケーションポリシーとして「Openに。謙虚に。正直に」を掲げています。
チームに属する様々な社員がどんな人生観、目標を持ち、それに向けてどんな困難に直面しているか、常に新鮮な状態で共有し合うカルチャーを醸成することを目標としています。

そうした正しいカルチャーさえあれば、結果としてお客様やパートナー様へのパフォーマンスも最大化され、信頼関係の延長線としてより良いビジネス、さらには一緒に働きたいと思える仲間の採用も実現する。失敗を経て、ポジティブなサイクル転換を身を持って経験したからこそ、こうした組織づくりが成功モデルにつながるものと信じています。


1人で早くゴールに到着するより、「みんなで遠くに行きたい」仲間を求む!

――具体的には、どんな方に応募してほしい、一緒にチャレンジしていきたいとお考えですか。

野村 1つ目のポイントとして、まずは先のコミュニケーションポリシーやカルチャ―のあり方に賛同していただける方というのが大前提となります。
一匹狼で数字を追いたいという方は、残念ながら思うようなパフォーマンスを上げられないのではと思います。

私が好きな言葉の1つに、「早く行きたいなら1人で行け、遠くに行きたいならみんなで行け」というものがあります。リーダーシップ論の権威といわれるサイモン・シネックがよく言及している言葉で、エヌシーノはまさに「みんなで遠くに行こう」という方針に忠実に、成長しようとしている会社です。

周りをリスペクトしながら学びを得て、さらに周りに還元していくことで、自分と組織を成長させていく。そこに共感いただける方なら今後の成長期に向けて、いい形でパフォーマンスを発揮できるのではないかと思います。

2つ目としては、銀行専業というビジネスモデルにあって、金融業界を通じて日本の社会課題の中長期的課題の解決、改善に貢献していきたいと真面目に考えているかどうか。
3つ目は誰かが決めたことを遂行していく仕事から、戦略を決める側に立ちたいという方。そんな思いを抱えているならば、必ず仕事を楽しめるフェーズにある会社だと考えています。

自身のキャリアに悩んでいる方に、自身の経験からアドバイスをするなら、迷ったらキャリアの振れ幅が大きい仕事を選ぶ。そして自分の損得より、周囲に応援してもらえるような選択肢を取ることが、長期的に見て今後の成長につながると思います。
エヌシーノが目指す世界に共感してくださる方々と、一緒にさらなる成長を目指していけることを楽しみにしています。


野村さんが推薦する「人生の岐路に立った時に読みたい本」

『あなたのチームは、機能してますか?』パトリック・レンシオーニ著 翔泳社

前職でチームづくりに混迷を極めていた37歳の時に出会った本です。どんな優秀な経営陣、完璧な事業計画、投資家、優秀な人材がいようと、チームが機能していなければ無に帰する。競争における究極の武器はチームワークであるということを認識した本です。当時、「会社に行きたくない」(苦笑)とさえ思っていた私に、一歩を踏み出す勇気と自身を180度変革する覚悟を与えてくれました。

『なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか』
ロバート キーガン 、リサ ラスコウ レイヒー (著) 英治出版

「自分をよく見せよう」「評価を下げたくない」という思いに終始すると、「自分の弱さを隠す」というムダな仕事に時間を費やしてしまう。結果、本質的な問題解決ができないという多くの組織が陥りがちな弊害を指摘した本です。私流に言うと、「正しく突っ込みあえる組織」こそが成長のサイクルに乗ることができる。リーダーシップ論を学ぶ入り口としても、うってつけの好書だと思います。

nCino株式会社について
https://www.ncino.co.jp/

2022-04-25

ダイナミックに変化を遂げる組織で自分も成長したい方、来たれ!「5社横断採用オンラインセミナー」から見えてきたその醍醐味

こんにちは。JAPAN CLOUDの千葉修司です。当社では、B2B SaaS分野において海外で急成長している企業の日本市場への展開および中長期的な成長を支援しています。

その一環として注力しているのが、関連/パートナー会社同士、組織横断で知見、情報を共有し合う活動です。これまでもブログでインサイドセールスやマーケティングの勉強会レポートを紹介してきました。今回は、初めて5社合同での「インサイドセールス採用オンラインセミナー」(2月2日開催)を開催したので、その概要をレポートします。

本件を通じ、私自身、パートナー企業のみなさんのやりがいこそが自分自身のやりがいなのだと改めて実感でき、胸を熱くするひと時を過ごすことができました。今後どのようなキャリアパスを描こうか、コンフォートゾーンを抜け出して新たなチャレンジをしてみようか悩んでいる方々のご参考になればと思っています。また、こちらの弊社創業メンバーや代表のインタビューもよろしければ合わせてご覧ください。


顧客の最前線で最も多くの声を聴き、伝える能力も向上

オープニングでは弊社代表取締役社長の福田康隆が登壇。参加いただいた皆さまへのメッセージとして、企業の立ち上げ期にインサイドセールスという仕事でキャリアを積む意義と重要性について語りました。

ポイントは3つ。1つ目が「顧客の最前線で最も多くの声を聴けること」。潜在顧客がどんなメッセージを発し、それに対し日本市場をどう開拓していくか。市場へのリアルな理解、潜在的課題を見出す力を開発する上で、インサイドセールスほど最適なポジションはないと語ります。
2つ目が「伝える能力の向上」。ヘッドクォーターはSaaS業界で既にリーダー的存在でも、日本市場へ進出したばかりで知名度はこれから。創業期ステージで、いかに自社の強みを潜在顧客や市場に啓蒙していくか。
「私も、これまでオラクルやセールスフォース・ドットコム(現セールスフォース・ジャパン)、マルケト(現アドビ)の日本法人創業期に携わり、その経験が新たなテクノロジーを世に浸透させるスキル向上につながったと感じています」(福田)。
3つ目が、大組織と違い、“歯車”の一部になることなく、「自らの広い裁量のもと仕事ができること」です。だからといってゼロからのスタートアップということでなく、本社を中心とするグローバルネットワークの知見を活かしながら、自分の力で日本での成長をドライブできるのは希少なキャリアになるはずです。

ここからパネルディスカッションをスタート。モデレーターは関連会社のBlackLine(ブラックライン株式会社)でマーケティングとBusiness Development Representative(以下BDR)を統括する大徳貴子さんに務めていただきました。

Saas業界におけるグローバルリーダー5社が集結!
登壇メンバー5名の自己紹介と会社概要として、こちらをご覧ください。

日本ではまだなじみが薄いと思いますが、実は世界では既にリーダー的存在の企業ばかりです。登壇した5人の経歴もフィールドセールスやインサイドセールス、マーケティングなど様々なキャリアを積んだ後、会社で1人目のインサイドセールス担当として入社した方も。組織作りやオペレーションの構築など、マネジメントに近い仕事をしているのも特徴です。

ここからは気になる業務内容ややりがいなどを深堀りし、その一部をご紹介します。


テクノロジーを活用し最短で最大の結果を出す

大徳 皆さんが、どんな仕事をしているのか。業務内容とKPIについて教えてください。

山梨 KPIとして商談件数と商談金額の最大化がミッションとなります。アプローチとしては電話やメールも活用しますが、闇雲に量をこなすのではなく、分析ツールのFORCASやマーケティングオートメーション(MA)のMarketo Engage、セールスエンゲージメントツールのOutreachなどテクノロジーを積極的に活用しています。少人数の組織なので、最短で最大の成果を上げていくことを意識し、PDCAを回しながら生産性の高いオペレーション構築に注力しています。

高木 ターゲット企業にアプローチをかけ、商談機会を創出していくことがミッションで、商談化基準を満たした有効商談数が目標値となっています。

BDRとして意識しているのはテリトリー(担当領域)オーナーとしての視点です。特に当社がターゲットとする大企業の開拓は1人では難しく時間もかかります。最短でビジネスチャンスを作るにはどう動くべきか考え、BDRチームのメンバーや営業、パートナー企業との連携など、複合的な視点をもって自分で企画しプロジェクトを動かしていくことが難しくも、仕事のおもしろさでもありますね。

新井 業務は大きく2つあります。1つが営業と一緒にターゲット企業を開拓し、お客様の課題とBlackLineで解決できることをすり合わせ商談の機会を創出していくこと。2つ目が福田さんの話にもあったように、お客様と日々会話を重ね、得た課題感や情報をマーケティング担当に連携し、コンテンツに落とし込んだり、ウェビナーの企画・運営に活かしたりしています。KPIは1か月の面談創出数を追っています。

テレアポのよくあるスタイルとして、リストに沿って闇雲に電話をするようなことはなく、ターゲット企業の経理部長様に話を聞いていただくにはどうしたらいいか。BDRチームで戦略を立てながら、様々な方法でアプローチしています。

小泉 営業に渡す案件数と、営業が追い続ける商談化数が主なKPIになります。その達成のためインバウンド、アウトバウンド両軸からアプローチしていますが、直近で注力しているのがナーチャリングです。IT投資の価値最大化をはかるためのTBM(Technology Business Management)​​というまだ日本にはなじみが薄い方法論を広く認知していただくための活動を、マーケティング施策とセットで進めています。

その点では、グローバル企業として先端的なテクノロジー、コンテンツを豊富に擁しているのは強みですね。お客様の課題をヒアリングし、それに合ったコンテンツを提供し、ナーチャリングしつつPDCAを回し最適化をはかっています。

鈴木 KPIは商談創出数です。また、その最大化のために見込み顧客に対し複数のチャネルを活用したアプローチを推進しています。当社でも皆さんと同様、様々なテクノロジーを活用し、いかに合理的に市場を攻略していくかを日々、議論しながら実践しています。

社内1人目のインサイドセールス担当であるため、オペレーション構築、マーケティングと協業したコンテンツやウェビナーの作成、データ整理、営業と協業したターゲット戦略構築など、業務の垣根を越え、会社の文化づくりなどにも関わっています。


創業フェーズで組織の進化をドライブし、日本で新たな市場に挑む醍醐味

大徳 インサイドセールスといって一般的にイメージするテレアポ業務とは一線を画し、みなさん、BDRとして幅広い業務に従事されていることがおわかりになるのではないでしょうか。続いて、インサイドセールスという仕事のやりがい、醍醐味について教えてください。

山梨 大きく2つあります。1つが創業フェーズで組織の進化を当事者として感じられることです。日々の小さな工夫や試行錯誤が、1年後に大きなインパクトを生み出したり、生産性の向上につながったりというのは身を持って実感していますね。

自分が考え、実践し結果につながったことを再現性の高いノウハウとして構築し、オペレーションや組織の基盤とし組織変革を実現していく。そうした体験ができるのは個人のキャリアとして、とても大きいと思います。

2つ目がBDRとして営業、マーケティングの橋渡し的な役割を担い、最も情報が集まるロールとして機能できること。チームメンバーと連携しながら意思決定し、一緒に進化、成長を実感できるのはBDRならではだと考えています。

高木 自分が考えたアプローチのストーリーがうまく運び、成約に至ったときはやはり大きなやりがいを感じます。日本での認知度はまだ高くない状況で、いかにお客様のインサイトを探り、理解を深めるかがそのカギとなります。企業、部門、人レベルで細かくリサーチし、どこに課題があるのか、誰に何を話すべきか。ストーリーを自分で描き、思い通り進んだ時の達成感はなかなか得られない経験だと感じています。

新井 以前、大企業で働いていた経験があるのですが、「もっとここを改善したらいいのに」と思っても、決まったレールの上を走るしかないもどかしさを感じていた時がありました。

今の会社では、自分が考えたことを試し、うまくいけばよりベストなオペレーション構築に貢献できる。また、ビジネスをスケールしていくには、戦うための武器、資金力も必要です。その点では、母体がしっかりしているため最先端のツールを活用し、グローバルのベストプラクティスを基に様々な施策を打って成果につなげることができる。大きなアドバンテージだと感じています。

小泉 日本市場で当社のTBMの知名度がまだまだ低い中、だからこそ少しずつ認知度が上がり、確実に案件につながっていく。「こんなソリューションを待っていた」といったお声をいただけるようになる。そんな一つ一つの積み重ねが、この上なくうれしくやりがいにつながっています。

そして「もっと多くの日本企業、IT投資に関する課題感を持っている方に知っていただきたい」と強く思えるのは、ソリューションに自信があるからなんですね。

世界のCIO、ITリーダーたちの知見を集約した方法論で既に欧米では当たり前のように浸透しているなら、日本でも必ず浸透していくはず。

そしてJAPAN CLOUDというチームの輪の中にいる安心感をもって、思い切ってチャレンジできるのは大きいです。

鈴木 1つは、日本市場で大きな変革を起こす当事者になれる、ならなければいけないという使命感を持って仕事に向き合えることでしょうか。購買調達の変革やサプライチェーンの価値創出​​の推進など、ビジネス支出を最適化するBSM(Business Spend Management​​)というグローバルでは高く評価されているソリューションを、まだ未開拓の日本で広く展開を狙っていく。特に日本においては購買・調達のプロセスにはまだ独自の商習慣が根付いているため、そこへ挑む楽しさを日々感じております。

もう1つは、BSMという新しい価値をグローバルレベルで一緒に作っていけることです。これまでも分断されていた業務をITで統合管理していく中でERPやCRMと呼ばれる領域の誕生と変革がございました。BSMはこれらに次ぐ新たなIT統合管理領域であると考えており、新しい市場/価値をつくっていけることは貴重な体験だと捉えています。


ダイナミックに変化を遂げる組織で自分も成長したい方、来たれ!

まだまだディスカッションが白熱する中、最後のメッセージとして、「現在進行形で会社が大きく変化する環境下、急成長を楽しみたい、自分自身も成長していきたいという方、ぜひご応募ください」「年齢や性別関係なく、お客様にとって何がベストかという価値観を共有し、多様な働き方を志向していきたいという方、気軽にご相談ください」「日本でも珍しいインサイドセールス出身の経営者がいる当社で、身近なロールモデルを目標に一緒に切磋琢磨しましょう」など、熱意あふれる意見がどんどん飛び出しました。

今回の5社はじめ、他の関連企業でもチャレンジ精神あふれる人材を募集中です。ご興味がありましたら、ぜひ、info@japancloud.co.jp にご一報ください。

2022-04-21

関連会社リーダーに訊く!第1回 nCino株式会社代表取締役社長・野村逸紀氏 前編 「マネジャー時代のチームづくりの失敗を経て、企業カルチャーの大切さに気付きを得ました」

いつもブログを読んでいただきありがとうございます。当ブログを通じ、Japan Cloudやその関連会社に興味を持ってくださった方々に、もっとその魅力、特徴を知っていただきたく、関連会社のリーダーインタビューの連載をスタートします。

ざっくばらんに自身のキャリア、外資系日本法人社長就任を決意した経緯や思い、どんな組織づくりを目指し、どんなメンバーと成長していきたいかなどを直球で質問し、NGなし(!?)で本音を語ってもらいます。

第1回目は、nCino(エヌシーノ)株式会社代表取締役社長の野村逸紀氏です。
同社は2011年末、米国で創業。クラウド型バンキングシステムのトッププロバイダとして、米国を代表するバンク・オブ・アメリカやウェルズ・ファーゴほか、世界1750以上の金融機関にサービスを提供。2020年7月にはナスダック上場を果たしました。

日本法人は2019年末に設立され、野村氏は翌年11月、トップに就任しました。
意外にも、それまでのキャリアは金融業界とはあまり縁がなかったという野村氏。インタビュー前編では、なぜ思い切ったキャリチェンジに踏み切ったのか。前職でのマネジャー時代の失敗談、そこから得た気づきも包み隠さず公開していきます。


リーダーシップのあり方に悩み、もがき苦しむ日々から得た気づき

――社長就任前のキャリアについて教えてください。意外にも金融業界とは一切無縁だったとか?

野村 大学卒業後、富士通に入社し公共マーケットの営業に従事しました。とても居心地のいい会社でしたが、より成果や成長を追求できる組織に身を置き、チャレンジしたいという思いと事業ポートフォリオに魅力を感じたことから、2005年、EMCジャパン(現デル・テクノロジーズ)に転職しました。

前職の経験を活かし公共インフラや流通市場の営業に携わり、2015年からは流通サービス営業部長に就任。大手顧客向けマーケットの責任者としてチームをけん引する立場になりました。同社には15年半と長く在籍しましたが、その理由の1つとしてM&Aに積極的な会社で、異なるカルチャーとの出会いで新たな刺激を受け、厳しいながらも学ぶことが多かったことが挙げられます。

その最たるものが、2017年のデル社との組織統合で、統合後、デル・テクノロジーズの事業領域全体の責任も担うこととなりました。
大企業をターゲットとするEMCと、中堅企業や個人をターゲットとしてきたデルの合併に際しては、企業文化も異なれば、重視する目標の設定や販売戦略も異なります。
そこでカルチャー融合の重要性に気付き、チームづくりとのその拡大に注力したことが、現在のキャリアにつながる大きな転機となりました。

しかし、実際のところ、マネジャーに就任してから2~3年目辺りは、リーダーシップのあり方に悩み、若手リーダーが陥りがちな失敗パターンにはまっていました。今、思えばチームメンバーから見て、典型的にイヤな上司だったと思います(苦笑)。

――今の野村さんの穏やかなキャラクターからは想像できません。

野村 数値、成果を上げることばかりに目が行ってたんです。その思いと逆行し、成果がなかなか上がらない。(自分ならできるのに。なぜできないんだ)というイライラした思いをぶつけるかのように、メンバーにも接していました。
そりゃあ、部下はついてこないです。辞めていくメンバーも出る中、デルというまったく異なるカルチャーを持つ企業との統合、その責任を担い、どうチームを率いていくべきか。もがき苦しむ日々でした。

チームがバラバラとなり、その存続さえ危うい状況で、ようやく周囲やメンバーからの助言、提言もあって、チームづくり、カルチャー融合の大切さに気付くこととなります。

そこで、これまでとは180度、方針を変え、数字を追うのは一旦やめようと宣言しました。
「良いチームとは」という定義づくりからスタートし、マネジメント、コミュニケーションスタイルを大きく変革したところ、不思議なほどに良い採用が出来、案件機会も増えるなど成功のサイクルが回り始めるようになりました。

目標達成以上に、カルチャー醸成が重要と認識したところから、人生が大きく変わった。そう言っても過言ではないですね。


銀行業務の経験がないからこそ、「イツキにトップをやってほしい」

――壮絶な失敗、マネジメント手法の変革を経て、エヌシーノ日本法人トップ就任を決意した経緯を教えてください。

野村 大きく3つのポイントがあります。1つ目が、業務のデジタル変革、効率性向上といった日本の金融業界におけるニーズの高まりに対し、エヌシーノだからこその貢献余地と企業価値提供の可能性を確信したことです。

金融業界にとってDX(デジタルトランスフォーメーション)推進は待ったなしの課題であり、これまでの延長戦上の戦略で持続的成長を遂げていくことはもはや難しいのは自明の理です。

正直なところ、業務経験がない銀行ビジネスに飛び込むことには多少の迷いはありました。その思いを、本社CEOに率直にぶつけたところ、「だからこそイツキにトップをやってほしい」と。銀行以外の産業の成功経験を多く持っているからこそ、銀行業界を客観的な視点で評価できる。そう背中を押してもらえたのは大きな契機となりました。

2つ目が、本社の経営陣が「Culture is everything(カルチャーがすべて)」と常に言っているように、エヌシーノの企業カルチャーを重視する経営のあり方、その価値観に共感できたことが挙げられます。
失敗を経て、気づきを得た私にオファーが来たのも、まさに良いサイクルから生まれた“出会い”だったのかなと感じています。

3つ目がJapan Cloudの関連会社として、創業期から成長サイクルに向かって中長期的なスタンスでサポートを受けられ、経営判断の権限が日本法人トップに担保されている点です。

nCinoが日本の金融業界にとって、不可欠なパートナーとして認知されるには、業界の特性もあり一定の時間がかかるでしょう。各行の課題にしっかり寄り添い、支援していくためにも、日本法人トップとして中長期的視点をもってビジネスの基盤をつくっていきたい。
その観点から、いわゆる外資系企業の一ブランチの社長とは異なる立場で、市場開拓に臨める。重責を伴うトップを引き受ける上で合理的かつ安心感のある仕組みだと確信できたことは大きかったですね。

後編はこちらから

nCino株式会社について
https://www.ncino.co.jp/

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