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キャリア

自らの行動が業績に直結する緊張感と面白さ|Japan Cloud Career Talk #5【営業対談】前編

著者:JAPAN CLOUD

Japan Cloud関連会社でのキャリアを選んだ社員がセッションするキャリアトーク。今回は、営業職として日本市場を開拓しているCoupaの平島 裕臣氏と、Xactlyの小松 仁実氏に話を伺いました。誰もが知る世界的なIT企業に勤めていた2人は今、日本での事業立ち上げに何を感じているのでしょうか。

目次

(前編)

  • 外資系日本法人立ち上げというキャリアの選択
  • 大手企業とスタートアップの違い

(後編)

  • 大手企業とスタートアップの違い
  • グローバル本社との接点と上司との関係
  • Japan Cloudのポートフォリオカンパニーとして

平島 裕臣
Coupa株式会社 リージョナルバイスプレジデント

大学卒業後ERP最大手に入社し、直販営業として日本市場の開拓と拡販に従事。2011年よりITサービス会社でアプリケーション導入・運用およびITアウトソース提案に携わる。米ITサービス日本法人立ち上げに携わった後、2020年より現職。

小松 仁実
Xactly株式会社 Japan Lead

新卒から一貫して営業職に従事。ITサービス会社でエンタープライズ企業のITトランスフォーメーションを推進した後、転職後は流通最大手企業のクラウド化と働き方のDXをリード。次のステージを求めてXactlyに入社し、Japan Leadに就任。

外資系日本法人立ち上げというキャリアの選択

――まずは今の会社に入社するまでの経歴を教えてください

平島 大学を卒業して1998年にERPベンダーに入りました。当時はソフトウェアパッケージがまだあまり一般的ではなかった時代です。今は多くのパートナー企業があるそのERPベンダーも、当時はパートナーリクルーティングを並行していた黎明期でした。

もともと営業志望だったのですが、新卒で最初に配属されたのはプリセールスでしたが、役割を果たすには圧倒的に経験値が足らず、これを補うために導入コンサルタントとしてプロジェクトに携わったりして、業務に関する知識を得ながらプロジェクトの実際を肌で感じる日々を送りました。それからほどなくして、当時立ち上げ期でもあったリセラーパートナープログラムを担当する部門に異動して、そこでプリセールスとパートナー営業の二足の草鞋を履くことに。そこではリセラーパートナーのリクルーティングや契約、営業同行、デモ、クロージングの支援から、パートナー様向けの教育資料やデモコンテンツの開発まで幅広い業務を担当しました。そして入社3年目、その部門が一定の役割を終えようとしていた頃に、当時の製造営業本部への異動の機会を頂いて、アカウントエグゼクティブとして晴れて直販営業になりました。

直販営業としては、最初に航空業界や鉄道業界、組立製造業の大手顧客を担当し、仕事が軌道に乗ってきた頃、新設された中堅企業担当の営業部門に立ち上げメンバーとして異動することになりました。大手企業と対峙するエンタープライズ営業と中堅企業向け営業では、オファリングから営業プロセスまでまったくモデルが違います。そこでは、従来のアプローチとは一線を画した、短期導入・低コストのオファリングをパートナー企業とパッケージングして、3ヶ月とか6ヶ月といった短サイクルでビジネスをクローズしていくモデルを実践しました。入社以来、右も左もわからないまま職務も環境も目まぐるしく変化し続けるので、「果たしてこれで専門性が身に付くのだろうか」と不安の毎日でしたが、振り返ってみるとここでのおよそ10年間の経験は今も自分の仕事の中で活き続けていると思います。

その後、必ずしも特定の業務や商材にとらわれず、よりトータルなサービスを通じてお客様と長い信頼関係を築いていきたいと考えるようになり、総合ITサービスの会社に身を転じてアプリケーションサービスの直販営業を経験しました。そこでは、従来型のスクラッチ開発もあれば、オンプレミス型のパッケージ導入もあり、またPaaSやSaaSといったクラウドソリューション導入など幅広く、加えて導入後の運用支援やアウトソーシングなど、アプリケーションを中心としたグローバルワイドのサービスをトータルに扱っていました。ここでもおよそ10年ほどの時間を過ごすことになりましたが、手がけたサービスの幅は大きく広がりました。それ以上に、なかなか他社とは差がつきにくいこともあるITサービスの領域にあって、同じお客様と長く深くお付き合いする中で、より自分自身のヒューマンな部分も含めてお客様にご評価を頂いたり、営業として一皮も二皮も剥けた時期だったと思います。

小松 私のキャリアのスタートは、エンタープライズストレージを販売している米国の会社でした。とても教育熱心で、OJTやロールプレイング、プレゼンテーショントレーニングなど営業専門職としての教育は徹底されていました。はじめはパブリックセクターのセールスを担当していましたが、なかなかスキルが伴わず何億円もするストレージを売ることに難しさを感じていました。入社3年目頃にコマーシャルセールスの組織ができたので、環境を変えたいと思いそのタイミングで異動しました。

そこで4~5年修行後、ラージエンタープライズのリテール&サービスのお客様を担当していた頃に会社が大手ベンダーと合併したのです。それによりポートフォリオが大幅に増えました。それまでは、顧客にとってなぜ我々の企業のストレージを選んでいただくのかの、Why?を徹底的に追求することを求められ、教育を受けてきました。そこからは、総合的に製品を提供できる世界最大規模のベンダーとしてどういうバリューを提供するかのWhy?にシフトしていき、取り扱う金額も大きくなっていきました。

最初の会社で10年を経過したタイミングで、自分の中で次のステップを考えるようになりました。扱うプロダクトや出会う方々の縦横の広がりを変えていきたいと思い、クラウドサービスを提供する会社に転職したのです。そこでは複数の部署を横断した20~30人のバーチャルチームを取りまとめながら、お客様のDXを推進し、その結果として大きな契約を締結するというミッションを持って働いていました。

――その後、どうして日本事業立ち上げ期の会社を転職先に選んだのでしょうか

平島 既に成長した企業では、組織としての仕組みや物事の進め方が成熟していて、役割と責任の範囲が明確に決められていると思います。

そうした仕組みが機能した時にはとてつもない組織力を発揮してくれると思いますが、一方で本当にお客様の成功に繋がる提案やその実行にあたっての足枷になってしまうこともあると思います。ほんの少しでも役割や責任を超えて物事を判断して実行することができれば、世界はもっといいものになるかも知れない。

総合ITサービス会社でのおよそ10年間は、自分のキャリアにある程度の達成感を得ていた時期でもありましたが、同時にそんなモヤモヤをどこかに抱えている日々でもありました。そんな時に、過去の繋がりからお誘いをいただいて、とある外資IT企業の日本法人立ち上げに参画しました。期待を持って飛び込んだ環境ですが、当然ながらそこに営業は自分一人しかいない。本当に自分でできるのか?という不安と常に闘いながら、それまで海を渡ることのなかったソリューションを、自分が先導するように必死に勉強して提案していく中で、期待を寄せてくださるお客様、頼ってくださるパートナー企業様が徐々に現れて、「自分がそこにいることの意味」みたいなものを噛み締めがら仕事をしていました。そんな手応えを感じ始めた頃にその会社がとある大手SaaS企業よる買収でイグジットを迎えました。もしその時に在籍し続けることを選択していれば、今頃は数千人規模の大手企業の一員として働いていたのだろうと思います。ですが私は、その時にすでに感じていた「手応え」のようなものを具体的な成果として実現していくことを選びました。それが次にCoupaを選んだ理由です。当時のCoupaは従業員も数名という規模でしたので、自分の挑戦を続けるにはピッタリの会社だったんです。

小松 私はずっとエンタープライズの営業をやってきて、それはある意味強みなのかもしれないけれども、自分のポートフォリオを考えたときに、もう少しビジネス全体のことを知っていく必要があると考えました。
それまでは既に市場での認知があり、商談の進め方や競合対策の「定石」がある状態からスタートできる仕事をしていて、これが1を10や100にする仕事だとしたら、0を1にする経験をしたことがない。それが自分のポートフォリオには必要なのではないかなと考えたのです。もう少しキャリアに振れ幅を持たせたいなと思い、今のXactlyの環境を選びました。

大手企業とスタートアップの違い

――営業職として、これまでの経験が生かせていると感じる点はどんなところでしょうか

小松 最初の会社は営業メソトロジーに関する教育が徹底されていましたが、最初の転職をして次の会社でも同等のものを提供されたときに、「私はグローバルスタンダードな教育を受けさせてもらっていたんだ」と気付きました。

Xactlyに来てもそれは同じですね。専門職としての営業が基本的に持っているべき営業メソドロジーが共通言語となって上司とも会話ができていると思いますし、そこは前提知識としてお互いに持っていて会話が始まるというのはあると思います。アメリカ本社にいる上司と商談について相談をしているとき、投げかけられる質問やアドバイスは、これまで学んできた営業メソドロジーにおいて押さえるべきポイントそのものです。そういう意味で、営業としてのポータブルスキルはどこへいっても生かせるのではないではないでしょうか。

平島 私は先ほど申し上げたように、最初の会社では毎年のように目まぐるしく担当や環境が変わることになって、何かすべてが中途半端のようで、当時はそのことに強い不安を感じていたんですけれども、結果的にはそれがスタートアップという環境ですごく活きている気がしています。ERPの会社ではプリセールスからスタートして、導入コンサルの現場も経験した、パートナー営業をしつつリクルーティングから契約、教育コンテンツ開発などのイネーブルメントもやった、直販営業では大手企業も担当すれば中堅企業向けのモデルも実践しました。ITサービス企業ではスクラッチ開発からパッケージ導入、IaaS/PaaS/SaaS導入を経験して、運用支援やアウトソーシングを含めたグローバルワイドのサービス提供を提案範囲としてきました。

お客様の数だけお客様の価値観が存在し、パートナー企業の数だけパートナー企業の考え方が存在します。それらを正しく理解して正しい行動に結びつけるためには、様々な観点から物事を見る力が必要だと思います。スタートアップという環境では、自分がこれまでに得た幅広い経験が、役割とか責任の壁を壊してくれて、あらゆる経験を目の前のことに総動員できます。その点で、これまでの経験が非常に活きているのではないかと思います。

小松 特にエンタープライズの営業の方は、社内の多くの人を巻き込みながら、お客様のご満足とかご要望につなげよう、何とか期待に応えようと自分から動く経験を多くお持ちと思います。それがスタートアップでは日本のメンバーだけでは人手も少なく、解決できないことも多いので、グローバルのメンバーを巻き込んでいくことになる。言語の違いはあれど、その巻き込むスキルは非常に生きてくるかと思います。
スタートアップでは「営業だからこれしかやりません」というのは通用しないので、巻き込みつつ引き受ける幅が広がるというところは、経験値からさらにレバレッジしていくポイントなのかなと感じています。

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