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アンバサダーとして新しい市場を創出|Japan Cloud Career Talk #5【営業対談】後編
Japan Cloud関連会社でのキャリアを選んだ社員がセッションするキャリアトーク。今回は、営業職として日本市場を開拓しているCoupaの平島 裕臣氏と、Xactlyの小松 仁実氏に話を伺いました。誰もが知る世界的なIT企業に勤めていた2人は今、日本での事業立ち上げに何を感じているのでしょうか。前編と後編の二回に分けてお届けします。前編はこちら。
目次
(前編)
- 外資系日本法人立ち上げというキャリアの選択
- 大手企業とスタートアップの違い
(後編)
- 大手企業とスタートアップの違い
- グローバル本社との接点と上司との関係
- Japan Cloudのポートフォリオカンパニーとして
大手企業とスタートアップの違い
――事業立ち上げ期ならではの難しさを感じるのはどんなところでしょうか
平島 まず、Coupaのソリューションは導入パートナー企業様との信頼関係が欠かせません。そのためパートナー企業をいかにエンゲージしていくかが非常に重要ですが、事業立ち上げ期のマーケットではどのパートナー企業様もまだポジションの定まらないソリューションへの投資には慎重になられると思います。信頼関係の構築には非常に時間がかかります。それでも粘り強く、パートナー企業様の信頼をコツコツと積み上げていく作業は、スタートアップには必ず立ちはだかるハードルだと思います。
また、最初から国内市場での実績や体制などがセールスポイントになりにくいという点もスタートアップならではの難しさだと思います。それをいかに補完していくか。最初は営業資料なども揃っていません。そこで、海外事例をとにかく徹底的に研究して腹に落とし込み、ひたすら翻訳する中でバリュープロポジションの共通項を探したり、事例ビデオなども字幕を入れたりしながら頭に刷り込んだり、体制やサービス面は細かくお客様から質問されます。懸念や不安を理解して、本社のリーダーシップをいかに巻き込んでいくか。今までなかったものを、いかに作っていくか。すべて考えて、手を動かして、結果に繋げていくのは自分です。自分の思考、行動、振る舞いが会社の業績に直接的にインパクトしていく、これがスタートアップの難しいところでもあり、醍醐味でもあると思います。
小松 これまでラージエンタープライズのお客様を担当していたこともあり、その企業内の誰にアプローチするかは自分で日々開拓していく感じでした。
だから、リードを獲得したりする活動をしてくださっているところも含めて、マーケティング部門とはすごく断片的な関わりでしかなかったのです。でもスタートアップでは、マーケティング担当と連携して効果的にリードを獲得するために動くとか、そこでのフィードバックループをどう回していくかなど、今まで考えてこなかったことがとても重要になります。今までの思考から切り替えていかなければならないのは、難しさを感じるところです。
まだ正解が分からないし、うまくいっているわけでありません。でも振り返った時に「いい経験をしたな」と思えるようになりたいと毎日思いながら活動しています。スタートアップは、動きが目まぐるしくて、毎日冷静でいられないですね。
平島 スタートアップでは自分たちの市場でのポジショニングを明確にすることが非常に大事だと思います。Coupaが自ら市場ドメインを作っていく、と言い換えてもいいと思います。
例えば私が新卒の頃はまだ「ERP」という言葉が完全に市場に広まる前の段階でした。製品の概要を説明するときには、冒頭でまず「ERPとは」なんていう話から始めていたくらいで。Coupaでいえば、この「ERP」というところが「Total Spend Management」になると思います。
これまで海を渡ることもなく、日本では誰も知らなかったCoupaの認知を広げて、市場を自分たちで作っていく。Coupaではエバンジェリストと同じような意味で「アンバサダー」という言葉があるのですが、文字通り自分が「アンバサダー」になりきって日本市場を拓いていくという姿勢だったり自負は、スタートアップの立場からはとても大事なことと考えています。
小松 私もエバンジェリストになるというのは本当にその通りだなと思います。日本市場において成熟したサービスを売っているわけではないので、マーケットに対しては自分たちが伝えていかなければなりません。エバンジェリストとして新しい市場を作っていこうという時に自分がどう発信するか。以前とは視野も意識も変わりました。
平島 そうですね。私はお客様が仮に目の前で寝てしまったとしても、まずCoupaの何が素晴らしくて、なぜCoupaがお客様の成功に貢献できるのかという話を1時間はかけてみっちりとお話しします。このことは必ずしもプロダクトアウト的なものにはならないと思います。これまで見たことも聞いたこともないソリューションについて、お客様とともに想像や可能性をめぐらせていく。歴史上、初めて海を渡るソリューションを市場に伝え、共感を生み出し、それを広げていくプロセスは、まさにアンバサダーに託された「使命」と言っていいと思います。
グローバル本社との接点と上司との関係
――前職までの会社と今は、グローバル本社の位置づけに違いはありますか
小松 重要度が格段に違いますね。例えば私は今上司がアメリカ人なので、彼にレポートしていますし、アメリカのプリセールスのメンバーとも提案内容の具体について相談をしています。プロダクトを良くしていくことも日本のマーケットに対する大事な仕事なので、プロダクトチームとも連携して日本のお客様の声を伝えています。
もともと私は英語が得意ではありませんが、ガッツでどんどん話しています。上司には聞き苦しい英語を聞かせているかもしれませんが、目的のことしか考えていません。
平島 私自身もグローバルの存在を非常に近く感じています。これまで担当した案件の殆どでグローバルのリーダーシップやグローバルチームの支援をもらい、いい結果に結びつけています。
その経験から、現在は営業チームのメンバーに対しても、1つの案件に必ず1つ何かグローバルの要素を入れるように求めています。グローバルリソースの活用は本来は手段なのですが、実は目的化しても良いぐらいに重要です。私もそうですが、何か必要が出てきたら活用します、では結局やらないんです。必ず活用する、となったら、常に活用のしどころや方法について考えを巡らせる。だから機会を逃さず、ビジネスの確度が上がっていく。何よりも自分の仕事の幅だったり、働き方、営業のやり方そのものが変わっていく。それもスタートアップならではの醍醐味だと思います。
特に若いメンバーがその気になって、仕事の変化を感じてくれるのが本当に嬉しいですね。若いメンバー達には、10年後、20年後になって「あの時Coupaで働いていたから、今の自分があるんだな」と振り返ってもらえるような、そんな環境を提供していきたいと思っています。
――立ち上げ期は他部署との連携にどのような特徴がありますか
平島 Coupaでは「お客様に『価値を届ける』ことがサービスである」という考え方を大事にしています。Coupaを導入いただくだけでなく、活用を通じて価値を感じてもらうことを第一に、プリセールスやポストセールス、導入パートナー様まで一丸となって取り組んでいます。
私の入社時には数名だったCoupaも順調に拡大して、現在では50名近い組織になり、より多くのお客様に価値を届けることができるようになりつつあると思います。ただ、各部門が極めて短期間に拡大してきたからこそ、今以上に組織全体としての一体感を醸成することが、今後さらなるCoupaの成長に欠かせないと感じています。
そして、その旗振り役になるべき存在は営業部門だと考えています。組織は成長していますが、私たちはまだまだスタートアップだという気持ちを忘れてはいけないと、折に触れてメンバーにも話をしています。
自分の振る舞いは本当に会社の業績と直結しているし、この50人を食わせていけるかどうかは営業にかかっている。そういった意識を持った上で、マーケティングやADR(インサイドセールス)、アライアンス、ソリューションコンサルティング、カスタマーサクセス、サポートとも、何事にも一丸となって取り組んでいきたいと思い、社内にも伝えています。
マネジメントの観点で言えば、今までそれぞれの部門でやっていた会議体も考え方を変えて、マーケティングやADR、アライアンス、ソリューションなど、複数部門のマネージャーと営業マネージャーが週次でミーティングを行って、部門横断での情報連携を促進するような取り組みを始めているところです。
Japan Cloudのポートフォリオカンパニーとして
――Japan Cloud関係会社であることのメリットは感じていますか
小松 私はちょっと特殊かもしれないのですが、ポートフォリオカンパニーの社長のうち2人が前職の上司なんです。2人は前職時代から私のメンターのような存在なので、今の私の状況も知っていただいた上で相談することもあるし、励ましてもらうこともあります。
それに限らず、Xactlyに来てから出会ったポートフォリオカンパニーの方や、Japan Cloudの皆さんに相談したりすることもあります。悩んだ時や壁にぶつかった時には、会社を超えて話し相手になってくださる方がいるのはありがたいですね。
平島 Japan Cloudには、そのポートフォリオ企業の営業マネージャー達で構成するセールスコミュニティというコミュニティがあります。同じようなステージの会社の営業マネージャーが集まって意見を交わせるような場って、世の中にそうは無いんじゃないかなと思います。みんな優秀な人ばかりなので、自分の成長にとって素晴らしい環境が提供されていると感じます。互いに高め合うことができる、大切にしたい場所です。
また、先進気鋭の海外SaaS企業の数々が、日本進出の際のビジネスパートナーとしてJapan Cloudに行列を作って並んでいるとの話を聞いています。これまでも選りすぐりの海外SaaS企業の日本進出をサポートして成功に導いていますが、そのポートフォリオ企業は現在も年々増えていて、おそらくこれからも増え続けるでしょう。そのポートフォリオ企業の中から、次々と新しいチャレンジとなるようなキャリアオポチュニティが見つかるかも知れない。
だから、Japan Cloudのポートフォリオの中で活躍していく、仕事を通じて自分のプレゼンスを高めていくことは、将来のキャリアにも繋がりやすいんじゃないかと考えています。そういう意味で、Japan Cloudのポートフォリオにはとても多くのチャンスが溢れていると言えると思います。
(肩書きは取材時のものです)
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