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関連会社リーダーに訊く!第1回 nCino株式会社代表取締役社長・野村逸紀氏 前編 「マネジャー時代のチームづくりの失敗を経て、企業カルチャーの大切さに気付きを得ました」
いつもブログを読んでいただきありがとうございます。当ブログを通じ、Japan Cloudやその関連会社に興味を持ってくださった方々に、もっとその魅力、特徴を知っていただきたく、関連会社のリーダーインタビューの連載をスタートします。
ざっくばらんに自身のキャリア、外資系日本法人社長就任を決意した経緯や思い、どんな組織づくりを目指し、どんなメンバーと成長していきたいかなどを直球で質問し、NGなし(!?)で本音を語ってもらいます。
第1回目は、nCino(エヌシーノ)株式会社代表取締役社長の野村逸紀氏です。
同社は2011年末、米国で創業。クラウド型バンキングシステムのトッププロバイダとして、米国を代表するバンク・オブ・アメリカやウェルズ・ファーゴほか、世界1750以上の金融機関にサービスを提供。2020年7月にはナスダック上場を果たしました。
日本法人は2019年末に設立され、野村氏は翌年11月、トップに就任しました。
意外にも、それまでのキャリアは金融業界とはあまり縁がなかったという野村氏。インタビュー前編では、なぜ思い切ったキャリチェンジに踏み切ったのか。前職でのマネジャー時代の失敗談、そこから得た気づきも包み隠さず公開していきます。
リーダーシップのあり方に悩み、もがき苦しむ日々から得た気づき
――社長就任前のキャリアについて教えてください。意外にも金融業界とは一切無縁だったとか?
野村 大学卒業後、富士通に入社し公共マーケットの営業に従事しました。とても居心地のいい会社でしたが、より成果や成長を追求できる組織に身を置き、チャレンジしたいという思いと事業ポートフォリオに魅力を感じたことから、2005年、EMCジャパン(現デル・テクノロジーズ)に転職しました。
前職の経験を活かし公共インフラや流通市場の営業に携わり、2015年からは流通サービス営業部長に就任。大手顧客向けマーケットの責任者としてチームをけん引する立場になりました。同社には15年半と長く在籍しましたが、その理由の1つとしてM&Aに積極的な会社で、異なるカルチャーとの出会いで新たな刺激を受け、厳しいながらも学ぶことが多かったことが挙げられます。
その最たるものが、2017年のデル社との組織統合で、統合後、デル・テクノロジーズの事業領域全体の責任も担うこととなりました。
大企業をターゲットとするEMCと、中堅企業や個人をターゲットとしてきたデルの合併に際しては、企業文化も異なれば、重視する目標の設定や販売戦略も異なります。
そこでカルチャー融合の重要性に気付き、チームづくりとのその拡大に注力したことが、現在のキャリアにつながる大きな転機となりました。
しかし、実際のところ、マネジャーに就任してから2~3年目辺りは、リーダーシップのあり方に悩み、若手リーダーが陥りがちな失敗パターンにはまっていました。今、思えばチームメンバーから見て、典型的にイヤな上司だったと思います(苦笑)。
――今の野村さんの穏やかなキャラクターからは想像できません。
野村 数値、成果を上げることばかりに目が行ってたんです。その思いと逆行し、成果がなかなか上がらない。(自分ならできるのに。なぜできないんだ)というイライラした思いをぶつけるかのように、メンバーにも接していました。
そりゃあ、部下はついてこないです。辞めていくメンバーも出る中、デルというまったく異なるカルチャーを持つ企業との統合、その責任を担い、どうチームを率いていくべきか。もがき苦しむ日々でした。
チームがバラバラとなり、その存続さえ危うい状況で、ようやく周囲やメンバーからの助言、提言もあって、チームづくり、カルチャー融合の大切さに気付くこととなります。
そこで、これまでとは180度、方針を変え、数字を追うのは一旦やめようと宣言しました。
「良いチームとは」という定義づくりからスタートし、マネジメント、コミュニケーションスタイルを大きく変革したところ、不思議なほどに良い採用が出来、案件機会も増えるなど成功のサイクルが回り始めるようになりました。
目標達成以上に、カルチャー醸成が重要と認識したところから、人生が大きく変わった。そう言っても過言ではないですね。
銀行業務の経験がないからこそ、「イツキにトップをやってほしい」
――壮絶な失敗、マネジメント手法の変革を経て、エヌシーノ日本法人トップ就任を決意した経緯を教えてください。
野村 大きく3つのポイントがあります。1つ目が、業務のデジタル変革、効率性向上といった日本の金融業界におけるニーズの高まりに対し、エヌシーノだからこその貢献余地と企業価値提供の可能性を確信したことです。
金融業界にとってDX(デジタルトランスフォーメーション)推進は待ったなしの課題であり、これまでの延長戦上の戦略で持続的成長を遂げていくことはもはや難しいのは自明の理です。
正直なところ、業務経験がない銀行ビジネスに飛び込むことには多少の迷いはありました。その思いを、本社CEOに率直にぶつけたところ、「だからこそイツキにトップをやってほしい」と。銀行以外の産業の成功経験を多く持っているからこそ、銀行業界を客観的な視点で評価できる。そう背中を押してもらえたのは大きな契機となりました。
2つ目が、本社の経営陣が「Culture is everything(カルチャーがすべて)」と常に言っているように、エヌシーノの企業カルチャーを重視する経営のあり方、その価値観に共感できたことが挙げられます。
失敗を経て、気づきを得た私にオファーが来たのも、まさに良いサイクルから生まれた“出会い”だったのかなと感じています。
3つ目がJapan Cloudの関連会社として、創業期から成長サイクルに向かって中長期的なスタンスでサポートを受けられ、経営判断の権限が日本法人トップに担保されている点です。
nCinoが日本の金融業界にとって、不可欠なパートナーとして認知されるには、業界の特性もあり一定の時間がかかるでしょう。各行の課題にしっかり寄り添い、支援していくためにも、日本法人トップとして中長期的視点をもってビジネスの基盤をつくっていきたい。
その観点から、いわゆる外資系企業の一ブランチの社長とは異なる立場で、市場開拓に臨める。重責を伴うトップを引き受ける上で合理的かつ安心感のある仕組みだと確信できたことは大きかったですね。
後編はこちらから
nCino株式会社について
https://www.ncino.co.jp/
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