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Japan Cloudからのメッセージ、インタビューや活動内容などを発信しています。
リーダーに訊く!第6回 Mirakl 代表取締役社長 佐藤恭平氏 前編|日本でMiraklを広め、仏国本社に日本の実態を知ってもらう -人の魅力と知的好奇心が原動力-
Japan Cloudやその関連会社の魅力や特長、会社を率いるトップの思いを伝えるリーダーインタビュー。6回目に登場するのはMirakl(ミラクル)株式会社・代表取締役社長の佐藤恭平氏です。
EC(電子商取引)サイトの新たなプラットフォームとして世界的に急成長しているマーケットプレイスのクラウドプラットフォームを提供するMirakl。本社は2012年、フランスに創業、フランス政府認定の成長ユニコーン企業「フレンチテックNext40」に選出され、百貨店大手のMacy’s、家電量販店大手のBest Buy Canadaなど世界40ヵ国以上300社で活用されています。日本は15番目の拠点となり、日本法人のMirakl株式会社はMirakl社とJapan Cloudの合弁会社として、2022年5月に設立されました。
日本のEコマースにおいては、大手ECモールか、あるいは自社ECサイトの二択の状態が長く続いてきました。そこに、自社のECサイトに販売者(セラー)を招き、自分たちで独自のマーケットプレイスを構築・運営するというECの第3の選択肢を提供するMirakl。
世界に遅れをとる日本のEC市場の起爆剤となりうるMirakl日本法人トップの佐藤氏に、外資系日本法人の社長就任を決意した理由、Japan Cloudとの合弁会社の立ち位置やメリットなどについて語ってもらいました。
新たな市場を作ろうとしている「French Tech」の魅力
――佐藤さんはSAPジャパン、日本マイクロソフトなどで要職を務めた後、外資系スタートアップの社長という新たなキャリアを選択されました。その経緯と理由について教えてください。
佐藤 1つ目のポイントは「人」でした。
マンスリーで1on1をやってもらっていたメンターの方に、「恭平、社長やりたくないの?」と、問われたのが、社長という職を意識した最初の契機でした。「自分はそういうタイプじゃないと思っています」。そう答えると、「なんで?」と問われ、「自分で勝手にそう決めているんじゃないの?」と言われたんです。
転職歴を振り返ると、新卒で入ったのがSAPジャパン。その後、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)でのコンサルタント時代を経て、日本マイクロソフトでは業務執行役員、SAPに再入社した際には事業本部長というキャリアを歩む中で、大企業で仕事を続けていくタイプなんだろうと、なんとなく思っていたんです。
けれど、それら転職の基準はすべて「人」。「この人と働きたい」「こういう人と仕事をしたら、おもしろうそうだ」というのが行動を起こすドライブで、別に大企業のブランドに憧れていたわけではなく、エージェントを活用した転職はしたことがない。
それに、学生時代から仲間と意識を合わせて歩いていき、何か1つのものを作り上げていくというプロセスが好きだったんですね。社長として「この指、止まれ」を宣言し、集まってくれたメンバーを幸せにできるのであればもっと楽しいかもしれない。
2つ目のポイントが、新しいものへの「知的好奇心」です。
学生時代にネットワークを研究テーマにしていたんですが、マーケットプレイスって運営企業、セラー、顧客、製品・サービスをつなぐまさにネットワークで、そこから新しい付加価値が生まれる。2000年ごろにマーケットプレイスが流行った時期を経て、French Techを代表するユニコーン企業が、さらに新しい角度から市場を作ろうとしている。そこに自分が貢献できるなら楽しいし、おもしろい。そう率直に感じたんです。
信頼する人からの声と、新しい形のマーケットプレイスというキーワードへの知的好奇心に突き動かされるようにMirakl日本法人立ち上げのチャレンジを決めました。
日本市場の特性を知ってもらうために本社と密に連携
――会社設立から約1年、ここまでの進捗や注力されたことについて教えてください。
佐藤 まず、ポジティブな話として、自分にとって重要なファクターである人材という点では、私が持っていない資質を持っている優秀なメンバーが、1年という短い期間で集まってくれました。現在約10名のメンバーと共に働いていますが、人には恵まれているなあ、と改めて感じています。
チャレンジという点では、これまで在籍していた大企業とは違って、知名度ゼロの状態からスタートし、市場を開拓していかないといけない。数多くのメディアに取り上げていただき、採用企業も出始めていますが、EC市場を盛り上げていくためにも、我々の第3の選択肢をさらに広めていかねばならないと考えています。
もう1点、日本にMiraklを広めるという観点でも、注力してきたのが本社との密なコミュニケーションです。彼らから見れば、日本はFar Eastの遠い島国。市場や日本人の嗜好の特性や違いを理解してもらうには、積極的に声を挙げていかないといけない。四半期に1回の取締役会だけでは足らないので、折を見てプロアクティブにボイスを届けるようにしています。
日本IBMの社長・会長を歴任した椎名武雄さんが、かつて社長の仕事について「Sell IBM in Japan、Sell Japan in IBM」という言葉で表したのは有名な話です。
同様に、「Sell Mirakl in Japan、Sell Japan in Mirakl」。
日本のお客様にMiraklを売るのと同時に、日本の実態をMirakl本社に伝え、理解してもらわないといけない。そのマインドセットの重要性を痛切に感じた1年でした。
ただ、会社員時代も異国で長く働き、新しいビジネスの立ち上げばかりやってきた立場として、「自分が発言し、動かないといけない」という状況は苦労もありますが、やりがいも大きい。2年目に入って、ますますモチベーションが上がっています。
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