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次世代リーダー

リーダーに訊く!第6回 Mirakl 代表取締役社長 佐藤恭平氏 後編|オンラインマーケットプレイスで日本のEC市場を支える -多様なメンバーと新たな道を切り拓く-

著者:JAPAN CLOUD

Japan Cloudやその関連会社の魅力、特徴をお伝えするリーダーインタビュー企画。6回目に登場するのはMirakl(ミラクル)株式会社の代表取締役社長の佐藤恭平氏です。後半では目指す組織のあり方、一緒に働きたい社員像、日本市場における今後の展望について語ってもらいました。前編はこちらから。

Mirakl日本法人とJapan Cloudメンバーで日本展開1周年のお祝い

創業者のアントレプレナー精神に刺激を受ける

――外資系企業の日本支社ではなく、Japan Cloudとの合弁会社である外資系スタートアップのトップという立場の特長やメリットについてはいかがでしょうか。

佐藤 経営者として、内資と外資のいいところ取りができる魅力が挙げられると思います。

グローバルに展開する外資系企業のビジネスのスケールはダイナミックで魅力的ですが、その日本支社という立場では、どうしても本社から来た指示に従い、数字を達成していくというミッションに終始しがちです。

一方で、国内のスタートアップは経営の自由度はあっても、資金繰りが難しく、会社の認知度向上にも苦労されているという話をよく耳にします。

その点ではJapan Cloudの関連会社として、世界で既に急成長している外資系スタートアップやJapan Cloudの後ろ盾がありながら、独立した取締役会の機能もあり、意思決定についても日本側の意見を届けることができる。これは大きなアドバンテージだと思います。

戦略的提携にふさわしい外資系企業をJapan Cloudがしっかり見極めた上で、パートナーシップを結んでいるというベースがあるのもポイントです。

――Miraklの成り立ちは、Co-Founder & Co-CEO Adrien NussenbaumとPhilippe Corrotら2人の創業者が、マーケットプレイスソリューションの素案をもとに「SpiltGames」を創業し、同社が小売りチェーンの「Fnac」に買収された後、2012年、2人が「Fnac」から独立してMiraklを創業したと聞いています。創業者のアントレプレナー精神に、何か影響、感化されたことがあればお聞かせください。

Adrien Nussenbaum氏(Co-Founder & Co-CEO)と共に
Philippe Corrot氏(Co-Founder & Co-CEO)と共に

佐藤 Co-Founder & Co-CEO のAdrienが来日した際に、お客様訪問に同行しましたが、彼は、まさにシリアルアントレプレナー。日本マイクロソフトやSAPジャパンでも多くの外国人と働いてきましたが、全然タイプが違います。

外国人が日本人よりオープンだといっても、多少は気を遣ってくれるものですが、言いたいことはズバズバ言うし(笑)、その分、「日本人はダイレクトなコミュニケーションが苦手かもしれないが、言いたいことはダイレクトに言ってくれ」というスタンスです。コミュニケーションは取りやすいです。

こういう人だから新しい発想が出てくるのだろうと思うのは、当社のお客様は流通業やアパレル、百貨店のお客様が多いのですが、本社に行くまえに、必ずリアルなストアや売り場に連れってってくれと言う。そして「日本には最上階になぜ必ずレストラン街があるんだ。地下になぜ総菜売り場があるのか」といった質問をぶつけてくる。

こうしたリアルな体験や関心を持って、リアルとオンラインの融合をずっと考えているんでしょうね。また、エレベーターピッチという言葉がありますが、どんなに短い訪問時間でも、しっかりとカウンターを打つ。勉強になります。

考えてみたら、フランスを代表するユニコーン企業の創業者とダイレクトにコミュニケーションができるのですから、恵まれた環境ですよね。

将来、振り返った時に「Miraklにいて良かった」と思ってもらう組織を目指す

――今後、どんな組織を目指し、どんなメンバーと一緒に成長を目指していきたいか、お考えをお聞かせください。

佐藤 10年後、あるいは20年後に振り返った時に、「あの時にあのメンバーでこういう時期を過ごしたから、今の自分がある」と、それぞれの社員に思ってもらえるような組織体にしたいですね。「Miraklで過ごした時間には何も意味がなかった、成長できなかった」というようなバッドシナリオには絶対にしたくない。

もちろん難しい局面も多く訪れるでしょうが、難局を乗り越えた時に、個々のメンバーが一皮、二皮むけたとなって、私も一緒に一皮むけた経験ができれば大きな意味のあることだと思います。

求める人物像としては、当社が提供するのはビジネスのやり方を変えるソリューションであり、新たな道を切り開くことに好奇心があるということが大前提の条件でしょうか。

さらにこのツールを使ってどうビジネスのやり方を変え、新しい収益モデルをどう構築するかに興味を持って取り組めるか。それをお客様と一緒に考え、共に伴走できるか。

その方法には正解がなくて、みんなが一本背負いで一本勝ちができる人じゃなくていい。合わせ技でもいいし、抑え込み技でもいいから、自分なりの決め技というか、誰にも負けない尖った部分があるといいですね。そんな多様性あふれるメンバーとビジネストランスフォーメーションを実現し、一緒に自身と会社の成長を目指してまいります。

――日本のEC市場の動向、今後のビジネスの展望についても教えてください。

佐藤 経済産業省発表の統計によると、2021年の国内EC市場規模(B2C物販)は13兆2865億円。当社がレポートを依頼したデジタルコマース総合研究所の調査によると、現状は右肩上がりを描いているものの、成長率は明確に下がっており、2030年にはピークアウトを迎えるという予測が出されています。

その一つの要因が、実店舗を主軸とした日本独自の流通構造により、ECの普及が遅れていること。コロナ禍でEC対応が進んだといっても、企業のEC化対応(EC化率)は他国と比べて極めて低い数値に留まっており、AmazonなどのメガサイズのECプラットフォームへの依存度が高いのも特徴となっています。

そこで、国内EC市場を活性化せる手段の1つとして挙げられているシナリオが、巨大ECプラットフォームより規模の小さい「ミディアムサイズプラットフォーム」が台頭すること。当社が“プラットフォーマーモデルの民主化”というキーワードのもと、「誰もがAmazonのようなプラットフォーマーになれる」と謡っているのは、まさにそのシナリオに合致するものです。

日本のEC市場を活性化させ、従来のモデルとは異なる個性あふれるEコマースが普及する世界を実現するためにも、当社のソリューション、考え方、ビジネスモデルをさらに広めていきたいと考えています。

時代の転換点に当事者として関わり、新しいビジネスモデルを広めていきたい、インパクトを起こしたいと考えている方、一緒にチャレンジしてみませんか。

“ビジネス書マニア”を卒業しよう! 佐藤さんのオススメ本

既にファンが多い本ですが、司馬遼太郎著の『竜馬が行く』が好きです。高校生の時に初めて読み、折に触れて読み返していますが、私の解釈は、坂本竜馬が「国を変えよう」といった決して大それたことを考えていたのではなく、単純に「海の向こうにどんな世界があるのか、見たかったのではないか」というものです。

つまり、彼を突き動かしていたのは知的好奇心で、その具体的な行動として、黒船に乗ろうとしたり、化学反応を期待して人と人を引き合わせたりしたのではないか。結果的に薩長同盟の結成や明治維新を起こすきっかけになったのではと感じています。

私の仕事に向かうドライバーもまさに知的好奇心で、この姿勢は常に持ち続けたいと考えています。

私自身も以前そうでしたが、How-To本を含むビジネス書が出たら飛びついて読むという方も多くいると思います。ある時期から、私はあえてビジネス本の優先度を下げるように意識しています。BCG時代、一緒に組んだ新卒あがりの先輩コンサルタントは、理系出身ということもありまったくビジネス書を読んでおらず、ポーターやコトラーといった有名な戦略フレームワークに精通しているわけではない。けれど、自分の頭でフレームワークを考え、お客様に提案し、それこそがいつも喜ばれていました。

その様子を見て、ある程度の基礎的なビジネス理論やフレームワークの知識をビジネスパーソンとしての常識としてインプットしたら、あとはまず自分の頭で考えるべきと考えるようになりました。
そして、リアルにお客様に会い、声に耳を傾ける。そこにこそ、新しいビジネスのヒントがあるのではないかと考えています。

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