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次世代リーダー

リーダーに訊く!第9回 Braze 代表取締役社長 水谷篤尚氏 前編|顧客エンゲージメント向上により、 日本企業の「表層の競争力」強化に貢献することを使命に キャリアチェンジを決意

著者:JAPAN CLOUD

Japan Cloudやその関連会社の魅力と関係性、各会社を率いるトップの考え方に迫るリーダーインタビュー。9回目に登場するのは、Braze(ブレイズ)株式会社・代表取締役社長水谷篤尚氏です。

Brazeは「モバイルファーストの時代」に対応したカスタマーエンゲージメントプラットフォームを開発・運営するテクノロジー企業として、2011年に創業。掲げる「Be Absolutely Engaging™」の下、Braze の活用によりあらゆるデータソースから、データを収集、施策実行ができ、1つのプラットフォームでマルチチャネル、かつリアルタイムに顧客とパーソナライズされたコミュニケーションができるのが特徴です。ガートナー® の 2023 年マジック クアドラント™ でマーケティング ハブのリーダーに選ばれるなど、グローバルで高い支持を得ています。

日本法人は2020年7月に設立され、翌年2月より事業を展開。日本でのビジネス成長も目覚ましく、2024年4月時点で売上の対前年比は225%、1か月当たりの利用者数(MAU)2.5億人、Brazeを経由した配信メッセージ数は月当たり172億通と高い成果を上げ、日本を代表する著名企業約100社が導入しています。

水谷氏は2024年4月よりBraze日本法人の代表取締役社長に就任。創業期を経て急成長を遂げる日本市場の活性化をけん引しています。

前半では、エンタープライズ向けのビジネス変革を支援してきた水谷氏が、外資系スタートアップへのキャリアチェンジを決意した理由と決め手について振り返ってもらいました。

「新しいチャレンジをしたい」という思いから、あえて社長職を選択

――水谷さんは、仏最大IT企業ダッソーシステムズを経て、SAPジャパンにおいてバイスプレジデント兼Chief Sustainability Officerというポジションで、主に自動車業界のDX支援に従事されてきました。いわゆる大手企業から外資系スタートアップ代表へのキャリアチェンジを決意した理由、経緯について教えてください。

水谷 前職のSAPジャパンには6年間ほど在籍していました。自動車事業の担当役員として、売上を大幅に伸ばし、やりがいのあるポジションで充実した日々を過ごしていました。

その一方で、自動車事業で目標を達成し、やり切った感を覚えると共に、このまま居心地のいい環境で満足していていいのかという不安めいた思いがわき上がってきました。

「もっと成長したい。新しいチャレンジをしたい」。そう考え、他の大企業への転職のお誘いもいただきながら、これまでのキャリアとは違う道を模索する中、Braze日本法人の代表就任のお話をいただいたのがキャリアチェンジの契機となりました。

――数ある外資系企業、転職の選択肢から、Brazeに決めた理由を教えてください。

水谷 決断に際しては、それまでの仕事で感じてきた課題認識も影響しています。

自動車業界を中心にバックエンド業務変革の支援に従事していく中で、中国勢やテスラなどの新たなプレイヤーの登場により、「いいモノを、低コストで、効率よく作る」といった従来の“深層の競争力”だけでは、日本企業がグローバルで勝ち抜くのはもはや難しいフェーズに突入していました。

ネットでダイレクトに消費者に車を売り、その後、必要な機能をソフトウェアでサブスクリプション契約していくようなビジネスモデルが台頭しつつある時代にあって、BtoB企業も消費者とダイレクトにつながっていくためのブランド力や価格力、デザイン力といったいわゆる“表層の競争力”を磨いていかねばならない。

そうした日本企業が直面する事業課題に際し、カスタマーエンゲージメントの向上を担うBrazeであれば、“表層の競争力”の強化を実現し、お客様のビジネスに直接寄与できるのではないか。ビジネスモデルに魅力を感じたのと、企業のフェーズが創業期から成長期に移行するタイミングで、自分の経営手腕如何で成長の角度が左右されるというステージにもやりがいを感じました。

さらに重要なことですが、創業してからの成長性、周りからの評判などから客観的に会社のポテンシャルの高さを感じられたことも大きかったです。

本社の経営陣とも話をして、とてもフラットにコミュニケーションができる組織風土を感じることができたのも良かったですね。

グローバルと日本の強みを活かした経営体制が実現

――実際にJapan Cloudの関連会社であるBrazeの代表として、社長に就任して以降、感じたポイントややりがいについて教えてください。

水谷 大きく3つあると考えています。

1つ目がグローバルと日本のそれぞれの強みを活かした融合性が図りやすいことです。

外資系企業の日本法人の社長について、ややネガティブな印象を持っていたのですが、Japan Cloudとのジョイントベンチャーとして、すべての経営判断、業務遂行の決定権を委任され、ボードミーティングにも参加し、直接本社の幹部と対等にディスカッションができるのは大きな魅力の1つでした。

こうしたミーティングで本社に日本の状況を共有する際にも、共同経営パートナーであるJapan Cloudによる客観的な視点での補足が受けられ、お互いの理解を深められる。

反対に、グローバルにおいて一般的なオペレーションの現実を教えてもらうことで、グローバルと日本が断絶することなく、それぞれ強みを融合する力に変えられるのは、カントリーマネジャーとしてやりやすく、日本市場における成長を目指すうえで非常にいいモデルだと思います。

関連して、2つ目がCEOモデルの強みです。

スタートアップタイミングの成長に最も重要なことの1つに、One teamでのミッションの組成、方向性の統一があると思います。その実現に向けて、全部門が日本の社長にレポートする組織体制はとても有効です。

通常の日本法人の社長で掌握できるのは営業組織に限定されるケースが多いところ、それぞれの部門間の利害をうまく日本法人内でマネージでき、一つのゴールに向かうことができるのは大きなポイントです。さらにバジェットを持たせてもらい、採用やPRまで様々な業務において、Braze Japanが成功するにはどうすればいいのかという軸で経営判断ができるのは、CEOモデルならではの強みだと思います。

3つ目が、Japan Cloud内の他の関連会社の連携が挙げられます。

Brazeでは私が社長に就任して以降、社員のトレーニングに力を入れ始めています。当初は自社だけで実施する計画でしたが、せっかくならJapan Cloudの仲間の会社と一緒にやってみようと、まずは採用に関わるマインドセットや面談法などについてのトレーニングを皮切りにトライを開始しました。

他社の仲間が一緒に入ることにより、多様性がある環境でトレーニングを実施でき、かつ参加者同士が刺激や学びを得られると参加者からも好評で、今後もJapan Cloudの枠組みをいろんな形で活かしていきたいと考えています。

また、社長同士が交流する会も定期的に実施されています。前回は早朝から朝食を一緒に食べながら、悩みや課題認識を共有しました。それぞれフェーズが異なる企業のトップが集まることで、ナレッジを得ることができるのは、自分のように社長デビューしたばかりの人にとってもいい仕組みだと思います。

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