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Japan Cloudからのメッセージ、インタビューや活動内容などを発信しています。

メンバー紹介

スペシャリストではなく、ゼネラリストとして生きる

著者:鶴原 鉄兵
なぜ IT?

はじめまして。ジャパン・クラウド・コンサルティングの鶴原です。現在、ジャパン・クラウド関連企業のマーケティングプロセスの構築支援を主に行っています。初のブログ投稿ということで、まずは自己紹介を投稿させて下さい。

私は20年強、IT業界に携わってきました。新卒入社した東芝では携帯電話の生産管理とPCの商品企画を。アクセンチュアでは通信やIT業界向けの戦略コンサルタント。その後はマイクロソフト、マルケト、アドビ、ジャパンクラウドとずっとITソリューションに関わる仕事をしています。

振り返れば大学3年の時、漠然と就職活動をはじめた私は企業や業界を知るため、さまざまな会社の創業者や社長の本をパラパラと読んでいました。その中で、確かソニー創業者の盛田昭夫さんの本だったと思うのですが、「コミュニケーションの進化は、人間の進化にインパクトを与えている」みたいな内容があったんです。それを見て「コレだ!」と思ったのを今でも覚えています。

人が「言葉」や「文字」を使うようになり、それが「手紙」「電話」と進化していくに従い、生活様式が変わり、社会やくらしが豊かになって来ました。当時、PCやインターネット、携帯電話が普及し、世の中が急に便利になってきたことを痛感していた私自身、ITによるコミュニケーションの進化、その先に来る社会やくらしの変革に携わりたい!と思ったのです。

当時の文系学生には、まだマスコミや広告代理店、金融や商社が人気業種でした。そんな中、私は携帯電話かPCを作っているメーカーか、通信会社しか受けませんでした。ITのあり方は当時からすると様変わりしましたが、私のITに対する根本の意識は当時と余り変わっていません。

スペシャリスト vs. ゼネラリスト

東芝という所謂、日系大企業からキャリアをスタートしましたが、その後は外資大手、中小と転職をします。仕事も新卒時は生産管理からスタート。その後、商品企画、コンサルタント、マーケティング、営業など、節操がないほど色々な仕事を経験してきました。

その理由には「飽きっぽい」ということがある気もしますが、自身では「ゼネラリスト」という点を意識したキャリアを歩んできたからだと思っています。

原体験は、東芝の商品企画部での経験です。配属当時は商品企画に華やかなイメージを持っていました。しかし、それは大間違いで、とにかく色々な部署との調整が多いんです。日本を含む米国、欧州、アジアなど各現地法人のマーケティングや営業担当者、そして電気設計、機械設計、ソフトウェア設計、R&Dなどの開発部門に加え、調達やデザイナーなどの社内のさまざまな関係者。また、マイクロソフトやインテルなどの主要コンポーネントベンダーとの会話も必要でした。Slackなどない当時、メールでのやり取りが基本でしたが、一日のメール件数が300通を越えて驚いていたら、当時の上司はなんと一日に500〜600通ものメールをさばいていた事を後に聞いて、更に驚いた記憶があります。とにかく多忙でした。

30歳頃に当時尊敬していた先輩が退職し、自分の将来を考える時期がありました。その時、自身に「専門性」としての強みが何もないことに気が付いたんです。色々な部署とのやり取りを通じ、製造メーカーとして広く薄い知識や現場経験はあるけど、尖った専門性が何もない。当時、「これからはスペシャリストの時代」とか言われ、専門性を磨くことが「良し」とされていた風潮がありましたが、私は悩んだ末、開き直って「ゼネラリストとして生きよう」と決めました。仕事柄、数多くのスペシャリストと関わってきた経験から、「スペシャリストだらけじゃ、仕事回らないだろ」と思ったんです。設計者やデザイナーなど、個性の強い人が多かったので 笑

広大なマーケティングの世界へ

そんな事がきっかけで東芝を退職。MBAで広く知識を学んだ後、マーケティングや営業、コンサルタントと色々な仕事をしてきました。でも、一番思い入れがあり、今でも専門性をもって注力しているのは「マーケティング」です。

東芝でも商品企画というプロダクトマーケティングをしていたわけですが、GTM (Go To Market) と呼ばれる、市場に対するマーケティング戦略などの仕事は東芝では余り関わっていませんでした。アクセンチュアやマイクロソフトで、はじめてGTM関連の仕事に触れ、マーケティング領域の広さや深さに驚きました。

特にマイクロソフトでの経験が大きかったかもしれません。「従業員一人あたり売上高」というKPIを長年、計測し続けている同社では、いかに少ない従業員で売上を最大化するか?という点が、常に考えられています。それ故にマーケティングやパートナーが重視され、社内でも「Leverage」という単語が頻出します。今でも信じられないような、パートナー向けインセンティブ予算や、フィールド向けのマーケティング予算がありました。そうした予算をフル活用し、色々な施策を考えるのは楽しかったです。

マイクロソフトでマーケティング部門にいた頃、グローバルでMarketoを導入するプロジェクトがあり、その時にはじめて「MAツール」というものの存在を知りました。その領域を少し勉強すると、今まではやりたくても人間が手作業でやるのは不可能だった施策を回せる、とても魅力的な領域だな、と感じました。

その後、ゼネラリスト気質な私は、マーケティングから営業に異動し(この話は長くなるのでまた別の機会に)、「マーケから来るリードは商談化が難しいなぁ」といった営業としての悩みに直面していたのですが、そんな時にちょうどご縁があってマルケトに入社することになります。

バリューコンサルタントを通じ、さらに世界は広く

マルケトでは「バリューコンサルタント」というロールで入社しました。これは2003年頃(日本では2006年)にSAPがはじめた「VE = Value Engineering」のパクリです。お客様のビジネスや経営課題を理解し、対話やワークショップなどを通じて、自社ソリューション(時には他社ソリューション)を使ってどんな成果を出していくのか?お客様の成功に向けたプランを一緒に作り、上層部に提案するのが仕事です。日本としては第一号のバリューコンサルタントだったので、お手本は海外にしかおらず、拙い英語で毎週、海外の同僚と 1on1 をして仕事を教えて貰いました。

ここではマーケティングのみならず、インサイドセールス、営業、そしてカスタマーサクセスと広く、お客様のビジネスを理解し、提案する経験が自身の視野を広げることが求められました。また、当時60〜70名前後だったマルケトの社内コンサルタントとして、カスタマーサクセスのプロセス構築などを担当させて貰ったことも、自身の視野をとても広げてくれた気がします。

マイクロソフトのマーケティングチームは良くも悪くも、R&Rがハッキリしていました。これはRole & Responsibility、役割分担のことで、MS社内では嫌というほどよく耳にします。一口にマーケティングと言ってもプロダクト、マーコム、イベント、フィールド、パートナー担当など、それはそれは細分化されています。これにより「それは私の担当ではありません」と平然と言う方も少なくなく(私も当時言ったかもしれません)、カチンと来ることがよくありました。しかし、この「個人商店の集まり」のような状態は会社としても問題視され、サティアがCEOになった後、「他者への貢献」が大きな評価指標の一つにもなっています。

しかし、役割分担がハッキリし過ぎていると、やはり見える幅が狭いんですね。マルケトに転職し、非常に大きな視野で仕事できること。そして、当時社長だった福田(現在も私の上司)との距離が近かったことも大きかったです。社長が日々どんなことを考え、仕事を、経営をしているのか、手触り感をもって感じたり理解することができ、非常に面白い環境でした。

2019年にマルケトがアドビに買収され、統合プロジェクトにも入らせて頂き、それはそれで良い経験をさせて貰っていたのですが、やはりアドビも大企業。仕事のすすめ方や仕組みにマイクロソフトの時と同じ臭い、既視感を感じました。

もっと小規模な組織で、売上を作っていくプロセス全体を見る仕事がしたい。そんな気持ちから、ジャパン・クラウド入社に至りました。

ジャパン・クラウドでは何をしている?

ジャパン・クラウドでは、2019年6月に事業開始したばかりのWalkMeの立上げを、同社のマーケティング担当として支援しました。私が入った頃、WalkMeには社長の道下さんを含め、まだ5名しか社員がいませんでした。マーケティングは私一人です。まさしく、0→1 の立上げを一人マーケでやらなければならない状況でした。

Webサイトや本社が保有するコンテンツの日本語化から始めて、セールスフォース社の大型イベントへの協賛・出展、各種セミナーの実施、各種メディアへの露出、市場調査とそのホワイトペーパー作成、営業が獲得してきた名刺情報の取り込み、大型自社イベントの企画・準備などなど。さまざまなマーケティング施策を自らプランし、実行し、反省し、また新たにプランするという多忙な日々。非常にエキサイティングな立上げの経験をしました。この時の話はまた、どこかでできればと思っています。

WalkMeにはその後、正規のマーケティングマネジャーとして森山さんが無事に入社してくれました。これを機に、現在は同じく昨年から営業開始したブラックライン社と、今年4月に立ち上がったばかりのApptio社のマーケティングを支援しています。

マイクロソフト時代には考えられなかったほど、幅広いマーケティング業務に従事しており、ゼネラリスト冥利に尽きる毎日を過ごしています。

米国やSaaS界隈では当たり前になった CRO(Chief Revenue Officer)というロールがあります。売上最大化を目的に、マーケティング、インサイド、営業、カスタマーサクセスの流れを一貫してみる責任者のことです。こうした広い視野を持つ専門ロールを設置することに、とても感銘を受けると同時に、私としてもこうしたロールを任されるような人材になりたいな、という想いを持っています。

ジャパン・クラウドでは、現場的なマーケティングの仕事もしつつ、各社の社長と売上の傾向や、使えるマーケティング予算の討議や各社の人材採用にも関わったり。さらに「次にどんな会社を日本で立ち上げるか」といった議論にも参加しています。現場での経験をノウハウ = Playbookとして纏め、次に立ち上げる企業のガイドラインとするような動きもはじまっています。まさに虫の目と鳥の目を行ったり来たりする毎日です。

私が尊敬する一橋大学の沼上教授は、「理論と実践の往復運動を素早く、沢山行える人物こそが一流」とおっしゃっていました。まさにそれを実践できる「場」がジャパン・クラウドであり、関連企業での経験だと思います。

これから

初回ということで、色々と振り返っていたら自己紹介が長くなってしまいました。ここまでお付き合い頂いた皆さま、どうもありがとうございます。

今後もその時々に感じていること、考えていること、困っていることなど、ざっくばらんに書いていければ、と思っています。なんとなくですが、以下のような内容を想定していたりはします。

・外資スタートアップにおけるマーケターの実状は?キャリアは?

・COVID-19環境下でマーケティング活動はどうあるべき?

・圧倒的な業務量、どうさばくか?

「仕事だ」と気負ってしまうと、つまらない内容になりそうなので、気軽な感じで書き進めていければ、と思っています。もしジャパン・クラウドや関連企業にご興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、お気軽にご連絡下さい。今後もよろしくお願いします。

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