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日本のエンジニアをハッピーにできる。そこに存在意義がある。|Japan Cloud Career Talk #2【エンジニア対談】前編

Japan Cloudの関連会社社員のリアルをお届けするキャリアトーク。2回目はエンジニアとしてサービスとクライアントをつなぐ、New Relicのコンサルティング部部長 清水毅氏とPagerDutyのManager, Solutions Consulting 山田 索氏にお話を伺いました。前編と後編の二回に分けてお届けします。後編はこちら。
目次
(前編)
- 知名度のある企業からスタートアップへ転職した理由
- ゼロから立ち上げるスタートアップの難しさと意義
(後編)
- 成長へ向けた課題と業界の潮流
- エンジニアとしてのキャリアをどう描くのか

清水 毅
New Relic株式会社
コンサルティング部部長
日系パッケージベンダーでECシステムのソフトウェアエンジニア、インフラエンジニアを経験。その後IaaS世界シェア1位企業の日本法人1人目のSaaS専門ソリューションアーキテクトとして活躍した後New Relicへ。非機能要件の設計・運用が得意。

山田 索
PagerDuty株式会社
Manager, Solutions Consulting
外資通信機器メーカーにて、インターネット基盤やデータセンターのネットワークインフラ構築のプリセールスに従事。CDN企業に移りWebサービスのスケーラビリティ向上やセキュリティ対策を支援し、マネジメントも経験。立ち上げ直後のPagerDutyに入社。
知名度のある企業からスタートアップへ転職した理由
――前職から現在の会社に転職したきっかけを教えてください
清水 理由は全部で3つあります。1つ目は前職の上司であり最も尊敬できるマネジメントの1人だった松本大樹さんの存在です。松本さんがNew Relic日本法人のCTO/技術統括として事業を立ち上げるとのことで前職を退職された後、声を掛けていただき、松本さんのもとで働きたいと思い入社しました。松本さんの下で働くことは、とてもチャレンジングかつ、エキサイティングで、そして何より楽しいです。他の環境ではなかなかできないチャレンジをさせてくれます。また、みんながいろんな意見を言いやすく反論などもさせてもらえるので、チームとしてとても建設的なチャレンジが可能な、心理的安全性が高い環境を提供してもらえます。
2つ目は、前職で行っていたシステムのデザインやコンサルティングの仕事から進化して、システムを作って終わりではなく、事業成長とともにシステムを運用しながら、ビジネスを止めずにシステムをアップデートし続ける難しいところのコンサルティングをしたいと思っていたことです。もともと事業会社出身ということもあり、実際の事業の変化や成長に合わせて、答えのない変化に対応することに難しさと楽しさを感じますが、その経験がNew Relicで生かせると思いました。ビジネス環境はどんどん変わっていきますし、その変化に対応できるのがNew Relicなんです。
3つ目はスタートアップのような感覚で、会社の立ち上げとマーケットをつくるというゼロイチに携われるというのが、私の働き方にすごく合うだろうと思ったのが理由です。
山田 僕はPagerDuty設立直後に1人目の社員として入社しました。きっかけは、前職ではもう完全にコンフォートゾーンに入ってしまっていたので、新しいことをやりたいと思ったからですね。前職では大体100人ぐらいの社員数の頃に入社して、退職する時には200人超ぐらいの規模になっていました。日本のメンバーをまとめてUSやシンガポールにレポートするという経験もして、後任の育成も含め私がいなくても業務が回る仕組みを作ったので、新しいチャレンジを考えていました。
お客様と接して支援できることが楽しいので、そういう仕事を探していたら、たまたまPagerDutyという面白い会社が日本で法人を立ち上げるということで声を掛けていただきました。
新しく日本で会社を立ち上げて、どのように加速させるかと考えた時にすごく楽しそうだなと思って。あとは『PagerDuty』という製品が非常に強いというのも選択の大きな理由です。自分が自信を持って勧められないものは嫌なので、業界のリーダーとしてずっとやってきて、これからも伸びるであろう製品も魅力でした。
僕は革新的なアイディアを出すとか、新しいやり方を考えるとかってあんまり得意じゃないんですよ。僕だけではおそらくカイゼンにしかならなくて、革命は起きないと思うんです。でも代表の山根さんが「こういうことをしたい」といったヴィジョンを打ち出した時にそれを具体的な目標を定めて、どうやるのかとか誰を巻き込むのかみたいなステップに落としたりするのが僕は得意。山根さんはすごく尊敬できるリーダーですし、うまく相互補完して成果につなげられていると思います。
――山田さんは前職のマネジメント職から一般社員としての転職でしたが、役職にこだわりはありませんでしたか?
山田 マネージャーでないとダメということは思ってなかったですね。マネジメントは僕の得意な分野の一つ、スキルの一つでしかありません。僕にとって大事なことは、自分が関わるお客様・チーム・社会に対して、インパクトを与えていると実感できることです。それは別にマネージャーであっても現場のエンジニアであってもいい。自分の強みが求められ、ニーズがある分野で生かせるのであれば、ロールは関係ありません。
もともと大きな会社でずっとプリセールスをやっていて、自分が歯車の一つ・プロジェクトの一部として動くよりも、規模が小さい方が自分にとっては合っていると思いました。マーケティングやPRの方々など含めて、どういうふうにオーガナイズして、成果を最大化させるかはプリセールスがキーの役割だと思っています。お客様のことも分かっているし、プロダクトのことも社内のリソースのことも分かっている。お客様に価値を届けられるかどうかはプリセールスが鍵なんですね。そういう役割を考えた時に、小さい方が楽しいんですよね。裁量がありますし自分がどういうインパクトを与えているかという手応えがあります。
――清水さんは、ロールに関する考え方はいかがですか?
清水 私はエンジニアやプリセールスという役割の感覚があまりなくて、本当にお客様に価値のあるものを考え、必要なことをやるという考え方です。一番楽しいのは問いを立てることです。ゼロからの立ち上げに際しては色々な課題が噴出しましたが、それを解決しにいけることが楽しい。本当に重要なことはこれだって定めて問いを立てて、解決を自分でデザインできることがとても楽しくて、ネガティブな部分は何もないですね。社員がまだ10人位の時に入社しましたが、4年経って今はもう90人位。4年間でどんどんどんどんフェーズが変わっていって、解決すべき課題も変化していっています。

ゼロから立ち上げるスタートアップの難しさと意義
――スタートアップの環境で苦労はありませんでしたか
山田 立ち上げは新しいことだらけなので、プロセスが整っていない点は難しいといえば難しいかもしれないです。そこはそういうものだと思ってやるだけですよね。ただ、整ってないフェーズではありますが、Japan Cloudがいることでだいぶ楽できたと思っています。採用活動も支援してもらえますし、業界での人脈も活用できたりします。非常に小さいフェーズだからこそ、そういう横のつながりを活用してビジネスを進める支援をしてもらえるJapan Cloudの存在はありがたいです。立ち上げは大変と言いつつも、人事関連やマーケティング・PR活動などだいぶ支援をしてもらっていますね。
清水 Japan Cloudがあることで、中長期的に成長を支援してもらえるという安心感があります。既に成果を出している良いプロダクトが本国にある。腰を据えて良いものをお客様に提案できることは最大の安心感だったと思います。
――海外の良質なプロダクトを日本のお客様に提案することに意義を感じているのですね?
清水 私はエンジニアの事業貢献を加速化させたいんです。USの西海岸のエンジニアって、「俺はこれだけ事業に貢献できるぜ」ってみんな言うんですよ。でも日本のエンジニアはあまり言わないんですよね。エンジニアだって事業に貢献しているのに、日本ではスーツとギークみたいな敵対構造みたいに表現されたり、セールス(スーツ)の方が上というようなアンバランスな構造だったりすることもありますよね。
売るのもスキルですが、プロダクトをつくるのも立派なスキルですから、営業力重視の日本のIT企業を、技術力・開発力でもっと評価されるテックカンパニーになるよう支援したい、そして、エンジニアのハッピーを作りたい。もちろん、お客様もハッピーにならないと、SaaSのコンサンプションビジネスは成り立ちません。買った時に終わりじゃなくてずっとハッピーであることが必要で、お客様も成長できたとか、ビジネスがドライブしたとか、清水さんと一緒に仕事して楽しいと言ってもらえるとか、これがやりたいことですね。
でもそれを軌道に乗せるまでに時間がかかるんですよね。だからJapan Cloudというのは、土台として非常に助かっています。最初は何もない状態で、お客様に説明しに行く時も不安でしたけど、ちゃんとやっていれば大丈夫だろうって背中を支えてくれている感じがあります。エンジニアのスキルをどうやって事業貢献につなげ還元していくか。Japan Cloudのもと、私はそこに専念できると思っています。
山田 すごく似てると思いますね。僕もエンジニアがハッピーになってほしいです。今はどんなシステムでもビジネスでもITが支えているので、もっと彼らが組織の中で評価されるようになって欲しいし、エンジニアに時間と裁量をあげたら、「もっといい仕事をしたい」「新しい技術に挑戦したい」という人が多いと思うんです。日本の場合は「時間があったらさぼるんじゃないか」という発想になりがちですが、それでより成果を上げられるのであれば別にさぼっていいじゃないですか。もっとエンジニアの発言力を向上させて、ビジネスに貢献するためにもっとエンジニアの力を生かせるような支援ができると、私自身も仕事により意義を感じられると思います。
清水 デジタルで問題を解決しようとしているのに、それに取り組んでいるエンジニアは夜中の電話対応やシステム復旧などアナログ作業にとらわれ、労働環境が劣悪なこともまだまだ多いんですよね。
山田 多くの日本企業はDXの推進に苦労していますし、一部のテック企業以外はまだまだエンジニアに日が当たっていません。エンジニアがもっと胸を張って楽しく仕事ができれば良いと思っているので、仕事を通じてエンジニアを応援できることがすごく楽しいです。『PagerDuty』を活用いただける会社が増えて、日本のDXを進めたり日本のエンジニアの生産性向上に貢献できるのは、とても意義のあることだと確信を持っています。
――日々の業務の中でやりがいを感じるのはどんな時でしょう。
山田 お客様の役に立っていると実感できることですね。直接お客様とやり取りしていますし、『PagerDuty』はお客様がつまずきそうなところ・困っているところにドンピシャのソリューション。インシデント対応ってどこでも発生しますし、僕の中ではやっぱりお客様の役に立てることが大事なので。お客様に本当に価値を届けられていると実感できることが一番のやりがいです。
清水 私は日本を変えるため、日本のIT業界を良くするために働いています。目の前の人に感謝されることもとても嬉しいのですが、実はそれよりも大きな喜びとして、IT業界の変革やエンジニアの地位向上に寄与することで、10年後の「ありがとう」が欲しいんです。時間的・物理的・精神的な距離が遠いところにレバレッジを効かせたいから、結果として大きな変革が生まれれば一番満足度が高いです。
逆に言うと、20代の頃は運用エンジニアとして本当に大変な環境に身を置いていました。何度も徹夜したり、毎晩監視センターから電話を受けて起こされて、「静観してください」って言って寝ていてもまた電話がかかってきて、今度は『タクシー使って来てくれないか』と言われる日々でした。『New Relic』があればすぐ寝られるのに、当時はそんな便利なものはなかったですから、運用エンジニアというのは睡眠やプライベートを削って対応していたんです。こうした経験を積んできたからこそ、今はそういったシステムに関わる人のQOL向上に貢献したいんです。『New Relic』の普及や技術サポートを通じて、エンジニアのお客様を労苦から解放し、本来の生産性の高い仕事に集中できるようにしていきたい。そうした活動を通じて日本のエンジニアをハッピーにしていくことが、私のミッションだと感じています。

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