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自分の枠を決めずにボーダーを超える。|Japan Cloud Career Talk #4【導入コンサルタント対談】後編
安定した環境を捨てて、立ち上げ期のJapan Cloud関連会社で働く道を選んだnCino西川 洋樹氏とCoupa榛葉 康人氏。外資系スタートアップで働く魅力と、そこでしか得られないものは何でしょうか。技術職としてのサービスの導入支援から講演会での登壇まで活躍の幅を広げている2人に、仕事への思いを伺いました。前編と後編の二回に分けてお届けします。前編はこちら。
目次
(前編)
- 文系からIT業界への就職。成長を求めてスタートアップへ
- 大きく変化した環境と、スタートアップだから得られる面白さ
(後編)
- 欲張りに楽しめる。役割にとらわれないのはスタートアップこそ
- 未来を決めず、自身のテーマを追求していく
欲張りに楽しめる。役割にとらわれないのはスタートアップこそ
――スタートアップゆえの難しさや壁を感じることはありますか
榛葉 やりたいこと、やった方がいいことは無数にありますが、リソースやスキル面、製品知識もまだこれからという状況です。そういった制約がある中でどうやっていくのか、どう優先順位づけするのか。その制約がある程度の規模の会社よりも大きいというのが非常に悩みですね。
反対に、自分のメイン業務以外に色々な役割を担っていけるのは難しさを楽しさと捉えていますし、固定的な仕事をやるよりも色々な仕事ができるのは、私にとっては入社の決め手でもありました。複数のチームがまとまって取り組むのも今の規模だからやりやすいと思います。
西川 私も榛葉さんと同じで、欲張りで色々やりたい人間です(笑)。入社前の外資系のイメージとして、「決められたロールの仕事をしっかりやる」というのがありました。だけど今のJapan Cloudは規模が小さい企業が多くて、ロールに関係なく色々と経験できる機会を得ています。それは別に課題ではなくむしろ歓迎していて、「何でもやるぜ」という気持ちで日々楽しくやらせていただいています。
課題としては先ほど榛葉さんがお話ししていた通り、やりたいことはいっぱいあるけど、やりたいことがあっても他にやらなければいけないことがあるからできない、というのはあります。それは「人が増えればできる」という反面、「自分がやりたいと思っていることを、人が増えたら自分ができるのか」というもどかしさもあります。
難しさを感じるのは、グローバルの方針が日本独自の商習慣と合わないことがあるので、いかに摩擦なくお客様にnCinoを導入することの真の価値を伝えられるかは常にチャレンジだと思っています。
――やりがいを感じるのはどんな時でしょう
西川 開発パートナーやお客様、社内の他のメンバーに対しても、自分から相手に情報等を提供して、それを受け取って活用していただき、相手が今までできなかったことができるようになる、今まで考えていた以上のことができるようになるというのを見る瞬間に、すごくやりがいを感じます。
例えば、nCinoを導入していただいた銀行で「導入前に比べて30%効率が上がりました」とか、「今まで閑散としていた部署だったのに申し込み件数が増えて忙しくなりました」と、ありがたいお言葉をいただいたり。貢献できていると感じられるのはやりがいです。
榛葉 私は小さなことなんですけど、普段のプロジェクトの中で顧客や導入パートナー、社員間でも、私が考えた提案やソリューションが「役に立った」という報告や「助かった」という日々の感謝はモチベーションになっていますね。
若い頃と違い色々な経験を積んで引き出しが増えているので、そういった引き出しからうまく周りの人や顧客、導入パートナーにアドバイスができています。それは年齢を重ねた今、20代の頃と同じようなポジションに戻ってきたメリットですし、若い頃より確実に効率的に働けています。
――会社の立ち上げ期に入社していますが、アーリーフェーズならではの面白さはありますか
榛葉 実はCoupaは私が入社した一週間後にJapan Cloudの関連会社になりました。その第2立ち上げ期のようなタイミングに入れたので、非常に面白い経験ができました。当時は人数が少ないこともあり、日本の中でどうやっていくかという仕組みが固まっていない状況だったのです。
例えば私の職種だったら、Coupaをパートナーが導入する時にどういう枠組みで支援していくのか、プロジェクトにどう関わっていくのか。グローバルでの枠組みは当然ありましたが、日本法人としての仕組み作りに最初から携われるのは立ち上げ期の大きなメリットだと思います。
もう一つは、どのソリューションもそうだと思いますが、製品知識を持ってこそというのが技術職の価値としてあります。製品に初期から携われるのは、日本の中で先にマーケットに入った先行の利をかなり得やすいと、後々思いました。
西川 nCinoの日本法人は私が入社した時は最初の顧客と契約が結ばれる前で、顧客がゼロの状態でした。だから本当に全員攻撃・全員守備のような感じでやっていました。その中で、サービスを日本向けにローカライズしなければいけないし、試行錯誤しながら進めていました。
「お客様にこういうメッセージを伝えてみたけど、何が良くて何が駄目だったね」というフィードバックの繰り返しがこのフェーズにはすごくありました。その積み重ねの結果として、今は複数の金融機関様に採用をいただいています。今まで見たことがない景色をみんなで一緒に見ることができましたし、きっとこれからも引き続き見たことが無い景色を見続けられるのではないかと確信しています。
――西川さんはお子さんが産まれる直前の転職でしたよね。ご家族に反対されませんでしたか
西川 nCinoへの転職を決めた時、妻は出産のために里帰りしていて、私は東京に残ったまま転職活動をしていました。「いい会社がある。でも現時点で顧客もいないし、立ち上げ期だからこの先どうなるか分からないけど、チャレンジしてみたい」と話すと、妻は「いいんじゃない」と言ってくれました。人生自分のやりたいことをやるべきだし、もし僕が働けなくなったり無職になったりしたら私が働けばいいんじゃない、と海のような懐の深さで背中を押してくれたんです。後日談ですが、妻は一方で私も同じ様な決断をしたら後押ししてね、と言ってます。少なくとも私はその準備は出来ていると思います(笑)
普段も在宅で働いているので常に妻や子どもと家にいる状態ですが、すごくサポートもしてくれますし、僕も家事を主体的に担いや業務とのバランスを見ながら子どもと遊びに行ったりもできますし、そういう家族の協力や良好な関係性が今の自分のパフォーマンスを支えてくれています。妻とも、家族にとって今のこの状況はすごく良いねと話しているので、あの時、転職の決断ができて良かったです。
未来を決めず、自身のテーマを追求していく
――今後のご自身のキャリアをどう思い描いていますか
西川 私はずっと業務軸的には同じことをやってきているので、そこを続けていくのが当面のやりたいことです。でも何があるかわからないこのご時世なので、色々なことに興味を持って、少しずつ軸をずらしながらでも、自分のやりたいことを突きつめていきたいと考えています。
榛葉 私のキャリアテーマは「世界中のプロフェッショナルと一緒に組織や文化の枠を超えて、テクノロジーを活用してビジネス課題を解決していく、業務プロセスを改善していく」ということ。ここは20代の頃からあまりぶれていませんが、その中でどういう仕事や役割を果たすかは、西川さんと同じようにあまり決めていません。
今までもITベンダーから事業会社の情報システム部門、またITベンダーというふうに動いているし、仕事場も日本、海外、また日本という形で動いているので、自分の枠を決めずに、「面白そう」と思ったらいつでもボーダーを超えるという感覚で行きたいと思っています。
西川 「ボーダーを超える」、カッコイイですね。どこかで使わせてください(笑)。
――仕事をする上で大切にしていることは何ですか
西川 『Go giver』という「与えることが重要」という内容の本があります。私のキャリアでは、自分で一生懸命知識を得て使えるようにして、それを周囲に広めて役立てていただくという役割が多くありました。
自分から何かを相手に与えて、その結果相手が価値を受け取って利益につなげていく。そういう考え方は自分の中では正しいと思っていたんですけど、この本に同じようなことが書いてあって、それは世の中的にも一つ筋が通っているのだと感銘を受けました。
仕事ではGo giverはベースにありつつ、相手のことを考えて向き合いたいと思っています。自分の言いたいことを相手に言い切るのはとても簡単なことですけど、それは相手にとって、すんなり受け入れられる内容なのかを考えて伝える必要があると思っています。
それは面白さであり、チャレンジなポイントでもありますが、それを追求していくことで自分自身の成長にもつながるし、相手の利益ややりたいことにつながっていくと思うので、日々意識しながら仕事をしています。『Go giver』にはもう一つ相手からの情報を正しく受容するという重要なポイントも書かれていますが、今回は仕事にフォーカスして1つのポイントである「与える事が重要」という事に焦点を当ててお話しさせて頂いてます。
榛葉 Coupa社内でよく出てくるフレーズの中に「Make others greater」という言葉があります。自分が何かをするだけじゃなくて、自分が持っている知識や経験を使って、いかに他の人に貢献していくのかを日々考えています。
Coupaのカルチャーとして、組織が逆ツリー構造で書かれているんです。CEOが一番下でマネジメントを支え、マネジメントは一般社員を支える。私は今4人のメンバーのサポートマネージャーとして支援しているというような状況ですが、そうやってみんなで協力し合い支え合うところは大切にしたいし、私もメンバーもそうできるように、自分自身もコントロールしながらロールモデルになれたらと思っています。
スイスで働いているときも途中でCEOが変わってカルチャーが変わり、「No BOSS」「UNBOSS」という言葉が出てくるようになりました。マネージャー、ボスではなくて一緒に働く仲間だというカルチャー。そういう環境で働いてきた背景も、私がCoupaで楽しんで仕事ができている理由だと思っています。
――転職を検討している方にメッセージをお願いします
榛葉 Japan Cloudのポートフォリオにあるのは、ほぼ全て他国で評価され成長が見込まれるソリューションを持っている会社です。そういう会社の立ち上げから成長のフェーズで、Japan Cloudと本国の2つのカルチャーを感じながら自身も成長できるというのは稀有な環境だと思います。
何か興味がある会社や職種があったならば、ひとまずカジュアルに話を聞いてみて、その後判断するのが良いんじゃないのかなと思います。
西川 私も興味があったらまずは社員の方に直接色々な話を聞いてほしいと思います。今だとオンラインでも話を聞けますし、私たちのように小さな規模の会社であれば、一度オフィスに来て全員と話をすれば合う・合わないも判断できる。それから転職するかどうかを考えていただければと思います。
榛葉 同質である必要性はありませんが、小さい会社なので常に学べる姿勢を持っていることと他の人をサポートするマインドを持っていること、あとは例え内向的であっても分からない・できない時に周りにサポートを求める声を上げられることも非常に重要です。周りというのは日本法人や本国のグローバルのメンバーかもしれないし、Japan Cloud内かもしれません。
最初の頃はできないことだらけだから声を上げるのが難しいかもしれません。特にリモートワーク中心で同僚が隣に座っている状況ではありませんから。でも、勇気を出して声を上げれば必ず誰かがサポートしてくれます。
西川 それは同感です。抱え込んでしまうと上手くいきませんから。課題には当然いっぱい当たるんですけど、壁にぶつかったり、うまくいかなかったりする時は、もうここが最底辺だからここから上がっていくしかないよね、という気持ちでいつも仕事をしています。私は常日頃から「自分には伸び代しかない」とみんなにも言っていますし、「この課題がクリアできたら自分もチームも強くなる」という気持ちで向き合って、乗り越えていくようにしています。
(肩書きは取材時のものです)
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